堅守・早稲田実の虚を突きいた広島国際学院が選手権初出場初勝利!
全国48代表校チームが参加し12月28日に開幕を迎えた「第102回全国高等学校サッカー選手権大会」。東京・国立競技場での開幕戦は東京Aブロック決勝で昨年代表・第94回大会では全国準優勝の國學院久我山を2-0で下した早稲田実(東京B)と、広島県大会決勝で瀬戸内を1-0で下した広島国際学院(広島)が14,367人の観衆が見つめる中で激突。両校はこれが大会初出場というフレッシュな一戦となった。 【フォトギャラリー】早稲田実業 vs 広島国際学院(写真=矢島公彦) スタートフォーメーションは両チームとも早稲田実が「5-3-2」、広島国際学院が表記上は「5-4-1」ながら実際は「4-2-3-1」。スターティングイレブンは早稲田実がGKは1高村裕(3年)。5バックは右から5荒木陸(3年)、2根本渚生(3年)、3若杉泰希(3年)、4中嶋崇人(3年)、11スミス聡太郎(2年)。中盤はアンカーに6岩間一希(3年)が入り、その前にキャプテンの7西山礼央(3年)と10戸祭博登(3年)。2トップは9久米遥太(3年)と8竹内太志(1年)。東京A決勝と同じ11人で臨んだ。 対する広島国際学院は、GKは1片渕竣介(3年)。4バックは右から2藤井海地(3年)、キャプテンの4茂田颯平(3年)、3水野雄太(3年)、23岡田康誠(3年)。中盤はダブルボランチが6長谷川蒼矢(3年)と7渡邊雄太(3年)。サイドの右が13萩野巧也(3年)、左が5島川翔汰(3年)。トップ下に14戸山晴人(3年)が入り。ワントップは11野見明輝(3年)。広島県大会決勝でトップ下で先発した10石川撞真(3年)はベンチスタートとなった。 試合は序盤からアグレッシブな展開となる。早稲田実は地元の大応援団から「紺碧の空」が鳴り響く開始47秒、相手のミスを見逃さなかった早稲田実FW9久米のオープニングシュートはわずかに右へ外れ、2分にも決定機を演出。対する広島国際学院も6分にFW11野見が抜け出し、さらにMF5島川がシュート。これはいずれも早稲田実GK1高村の好守に阻まれたが、その後のCKでもMF6長谷川がクロスバーを直撃するヘディングシュートで流れを完全には渡さない。 そんな拮抗した時間が続く中、スコアが動いたのは28分だった。左サイド深くでスローインを得た広島国際学院はMF5島川のロングスローに警戒し深めの守備をとった早稲田実の虚を突くショートスローからDF23岡田が正確なクロス。MF6長谷川が前に落としたところに入り込んだ「大会ファーストゴールを狙っていた」FW11野見が頭で流し込み、広島国際学院が今大会のファーストゴールを奪い取った。 その後も6長谷川の高さ、11野見のシュート力を武器に追加点を狙う広島国際学院だが、都大会5試合無失点をマークした早稲田実の球際に強い守備も弱まらず。前半は1対0広島国際学院のリードで折り返した。 後半に入ると早稲田実ベンチは思い切った交代策で局面の打開を図る。キックオフ時根に2根本を12森敦彦(2年)に交代させCB陣を落ち着けにかかると、46分には都大会4得点の8竹内を14野川一毅(1年)に交代させ、前線に活力を求める。 しかし、次の1点は再び広島国際学院の側に。右サイド深くから2藤井が入れたロングスローに反応したのはこれまで再三高さで優っていたMF6長谷川。「藤井のロングスローが最高のボールだった」感謝の意をプレーで表す頭1つ抜け出たヘディングですらせたボールはそのまま逆サイドネットに舞い降り広島国際学院が2-0とした。 その後、広島国際学院はトップ下に10石川を入れるなど活動量を失わない交代策で、同点を狙う早稲田実の圧力に対応。早稲田実も14野川がトップ下とFWの位置を巧みに行き来し相手を惑わせたが、キャプテンDF4茂田を中心に「4-4-2」ブロックを組む広島国際学院からゴールを奪うまでには至らなかった。 終わってみれば、広島国際学院が早稲田実を2-0で下し「率直にうれしい」(谷﨑元樹監督)選手権初出場初勝利の快挙を達成。2回戦では浦和・駒場会場の第2試合で静岡学園(静岡)vs明徳義塾(高知)の勝者と対戦する。 (取材=編集部)