「虎に翼」伊藤沙莉、感情ぐちゃぐちゃの第9週「焦点を合わせられなくなって…」
Q:第43回(5月29日放送)では、優三の死を隠していたことを直言(岡部たかし)がざんげする場面もありました。
この週はもう、感情がぐちゃぐちゃで。このシーンでは、寅子の気持ちを整理したくて演出の方に相談したんです。なかでも「でも、お父さんだけだったよ……家族で女子部に行っていいって言ってくれたのは」というセリフを言うときは、寅子としてあふれてくる感情が、喜怒哀楽のどこに属しているのか分からなくなって。感情の焦点をどこにも合わせられなくなってしまったんです。そこで「答えなんか出そうと思わなくていいよ、もうぐちゃぐちゃのままでいい」とアドバイスをいただいて。その通りに、あえて特定の感情に焦点を定めずに演じたからこそ、違和感のない自然な表現ができたと感じています。
Q:このほかに、印象深かったシーンを教えてください。
第44回(5月30日放送)の、第1回(4月1日放送)につながる河原のシーン! 優三さんの幻影に「トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです」と改めて励まされて、それと同時に新しい日本国憲法を手にするという、終わりと始まりがリンクするところが物語の造りとしてもおもしろいと思いました。続く10週からも、楽しんでいただけたらうれしいです!