フグとクジラで町おこしを 下関の2氏が取り組み講演 館山(千葉県)
「食の新時代フグとクジラで街おこし」と題した講演会が8日、館山市のJR館山駅東口前の「sPARK tateyama」で開かれた。フグ食や捕鯨で有名な山口県下関市の2氏が下関におけるフグ、クジラの食への取り組みについて講演。同市内の飲食店や行政関係者約20人が理解を深めた。 講演会は、フグの安全な喫食などに取り組む「千葉県ふぐ連盟」が主催した。 近年、館山湾沖に日本最大級のトラフグの産卵場が形成されており、地元をはじめ、関係者の中では新たな地域の名物として大きな期待が寄せられている。 フグ料理の本場下関と安房地域では捕鯨という共通点があり、捕鯨文化で2地域をつなぎ親交を深め、下関の食への取り組みを知ってもらうことで、今後のフグ産業創出に役立ててもらおうと開催された。 講師を務めたのは、フグ食品の製造・販売を行い、クジラ料理専門店などを営む「株式会社藤フーズ」代表取締役の青木光海氏と、元下関市長でフグ処理師の資格を持つ中尾友昭氏の2人。 青木氏は、クジラ肉の消費拡大推進や、市内小・中学生にクジラ給食の提供、捕鯨船乗組員の移住支援、事業拠点設置支援など、捕鯨の歴史文化を次世代につなぐための取り組みを紹介した。 中尾氏は、下関とフグとの関わりや、フグにまつわる歴史や文化を紹介。また、フグでの地域活性化の取り組みや、ブランド化することの重要性などを述べた。 聴講していた男性は「館山の新たな名物としてフグが定着できるよう、資源保護などのルールがあるといいと思った。仲間と一丸となり頑張りたい」と話していた。 (押本裕也)