【山口県】[周南市消防団]「地域から頼られる存在に」 周南市消防団に女性初の分団長 内山さん(中須)就任
周南市消防団(八木計二団長)の第2方面隊第4分団(中須地区)の分団長に4月から内山良恵さん(61)が就任した。同市初の女性分団長で、団員が減少して定員を300人も下回る中、女性の団員を増やすことにもつながりそうだ。 同消防団は5つの方面隊、18の分団で構成され、団員の定数は1,184人。しかし実際の団員数は859人でそのうち女性は60人。団員数は2020年の1,003人に比べても150人減り、高齢化も進んでいる。市内に69の消防機庫があり、小型の消防車のポンプ積載車が配備されている。 第4分団の団員も定員43人に対し、実際の団員は35人で、女性団員は内山さんを含めて2人。女性団員も男性団員と同様、火災の時には出動してポンプやホースを操作して消火活動にあたり、そのための訓練や救命講習、年末夜警、操法大会に出場するための訓練にも参加している。
内山さんが消防団に入ったのは19年前。夫らと家業の塗装業を営んでいて、夫はすでに退団しているが当時は団員で、息子3人も消防団員。長男と次男は第4分団所属で今も一緒に活動している。このため、火災時などには夫と一緒に「出動」する機会もあり、団員となった。分団長になるまでは分団内の部長だった。 分団長を引き受けたきっかけは昨年、県のポンプ操法の大会の女性の部に市内のほかの分団の女性団員と一緒にチームを作り、その指揮者として出場したこと。結果は7チーム中5位だったが「頑張らなければ」という気持ちになったという。 中須地区の火災は、昨年は2件と多くはないが、就任したばかりの4月にも小規模な火災があり、出動して団員を指揮した。 現在は中須地区の体育振興会の副会長。これまでも地域で活発に活動してきたが、分団長として「今まで通り、地域の人に頼ってもらえるようになりたい」と話す。 消防団の魅力について「出初め式で子どもたちから『かっこいい』と言われるとうれしい」と笑顔を見せる。地域とのつながりが強くなることや、防災の知識が得られることも消防団に入るメリット。入団などの問い合わせは市消防本部消防総務課(0834-22-8755)へ。