緑のプリン、食べれば広がる小松菜風味 広島県安芸太田町の特産生かし新スイーツ 道の駅運営法人が開発
広島県安芸太田町産の小松菜のパウダーを練り込んだプリンが誕生した。町内の道の駅を運営する一般社団法人地域商社あきおおた(同町)が、スイーツの品ぞろえを拡充しようと開発。「野菜嫌いの人にもおいしく食べてほしい」との思いを込めた。昨秋に売り出し、初回生産分1300個を完売するなど順調なスタートを切っている。 【写真】小松菜パウダー入りのプリン パウダーは太田川沿いの津都見地区で栽培した小松菜を粉末機で加工。プリン1個(150グラム)の原料として葉2枚程度に当たる約1・5グラムの粉末を使用する。プリンは薄い緑色を帯び、食べると小松菜の風味が口に広がる。食感は軟らかく滑らかで、葉物野菜の苦手な子どもでも食べやすいよう工夫したという。 同法人が運営する道の駅来夢とごうち(上殿)に常温で持ち帰りできるスイーツがないことから昨春、開発に着手。葉っぱのかぶり物が愛らしいキャラクター「小松菜っちゃん」も制作し、ラベルに起用した。 昨年9月から1個350円で店頭に並ぶ。初回生産分は売り切り、現在2巡目。特産品販売施設ぷらっとホームつなみ(津浪)でも販売し、年間5千個の販売目標を立てている。 町は広島市と並ぶ県内の小松菜の主な産地。町産業観光課によると、JA広島市(安佐南区)を通じて出荷している町内の大規模農家は2019年に4戸で生産量は143トン。22年は8戸で174トンと増加している。 同法人は昨年、小松菜パウダー入りのカレースパイスを商品化し、現在、カレースープも開発中。担当の武市香里さん(32)は「祇園坊柿や山菜の他にも、町自慢の生産品に小松菜があることも広くPRしたい」と意気込む。
中国新聞社