【衆院選2024注目選挙区】自民党を隠さない無所属の前職に、「裏金責め」の元職・新人たちが挑む東京11区とは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
ポスターに見る、各陣営の思惑とは
現地取材を行った山本氏は、各陣営のポスターを紹介します。 まず、立憲の阿久津氏。「汚い政治は、まっぴらだ。」というメッセージで、裏金問題を強調しています。逆に下村氏の演説では、「立憲の演説は、裏金批判しかしていない。政策を語るべき」という批判がみられたとのこと。 大豆生田氏はポスターでは「保守」を強調し、下村氏に投票したくない保守層を狙っていることがうかがえます。 維新の候補者は、吉村大阪府知事と二連ポスターを作ることが多いのですが、大豆生田氏は、前回の都議補選で板橋区で敗れた候補者を二連ポスターにした点が珍しいと紹介。ほかにも、ひとりで長時間の演説を行うなど、維新の多くの候補者とは一線を画した選挙活動を繰り広げています。 山本氏「大豆生田氏は、2022年の安倍元首相の銃撃事件をきっかけに、義憤に駆られ、政治家活動を再開されたと言われています」 伊波氏も、基本的には裏金問題への追及姿勢を強調したポスターです。共産党陣営では、都議補選の板橋選挙区でも、下村氏の裏金批判は手応えがあったと語っているとのこと。 山本氏「(無免許運転で在宅起訴された)木下富美子元都議(当時、都民ファーストの会所属)を無効化するくらいの浸透ぶりです」 一方、下村氏のポスターは、「元自民党政調会長」という経歴を加えることで、自民党を強調していると分析する山本氏。もともとの支持基盤も下村氏についているようです。 山本氏「自民党の都議、区議も応援していますし、本人も『自民党の候補者は下村博文でございます』も名乗っています」 とはいえ、板橋区は坂本区長派と下村派で二分していると説明する山本氏。区長の応援も得られているという話ですが、その熱量には注目です。 公明党はまだ推薦がついていません。目立った動きはありませんが、公明党票が減ると苦戦が予想されます。 自民党の表記をできるだけ隠さないようにしているように見える下村陣営ですが……。 山本氏「下村さんが使っているたすきは、28年前の初当選時に、支援者から贈ってもらった手作りのもの。ただ、『自民党公認』の部分を削ってあるんです」 父親を早くに喪い、あしなが育英会の奨学生でもあった下村氏。募金活動などにも前向きとのことですが、「そういう人が裏金で叩かれるのは、ドラマとしては相当エグい。落選したら相当バッドエンド」と山本氏は語ります。 「博文進学ゼミ」など、地元での教育活動に積極的な下村氏の動向にも注目です。
維新の比例復活枠の争いにも注目
東京11区の過去の結果では、圧勝というほどではありませんが、下村氏が差を付けて勝利している様子がうかがえます。 山本氏「1996年以外は、比例復活を許していないんですよ」 この票数差を考えると、公明党の支援がないと厳しいと予想するMC鈴木と山本氏。前回、前々回も野党が割れている中でもこの結果です。今回は維新が加わり、ますます予想がつきません。 もうひとつ、維新の比例復活枠争いも注目となる東京11区。自民党公認かどうかが、惜敗率を大きく分けるのではないかと山本氏は注目します。