【独自】旧岡山市民病院跡地 市医師会に一部売却 市が方針、新会館整備へ
長らく空き地になっている岡山市中心部の旧市民病院跡地(同市北区天瀬)を巡り、市が一部を市医師会に売却する方針を固めたことが13日、市への取材で分かった。市医師会は新たな医師会館を整備し、西隣の旧市民病院別館(同東中央町)に入居する現医師会事務局や休日夜間急患診療所を移転させる予定で、年内に着工、2026年春の完成を目指す。 市民病院は15年5月に同北長瀬表町の現在地に移転し、旧市民病院の建物は別館と東隣の立体駐車場を除き、20年9月までに解体した。市はこれまで具体的な活用方針を示しておらず、跡地活用が焦点となっていた。 市によると売却対象は、旧市民病院の跡地で空き地になっている約4660平方メートルのうち北側の約1800平方メートル。各種検体検査を行う総合メディカルセンターと訪問看護ステーションの運営を新医師会館に引き継ぐことなどを条件に、随意契約で売り渡す。跡地東隣の立体駐車場も売却し、従来通り使われる見通し。売却額は「医師会側と協議中」としている。
新医師会館の規模や内容など詳細は未定だが、現医師会事務局をはじめ、休日夜間急患診療所や休日急患歯科診療所を移転させることは決まっている。 旧市民病院の跡地を巡っては以前から地元が有効活用を市に要望。昨年12月には市医師会が別館の老朽化を踏まえて医師会館を建てるため、一部購入を申し出ていた。 市医療政策推進課は「地域の初期救急を担う診療所を維持でき、市民にとって良い形で跡地活用を前に進められたと考えている。残りの跡地や別館についても地元の要望をくみながら検討していきたい」としている。