米が品薄、仕入れ価格上昇 昨年の猛暑など影響【宇部】
昨年比1割値上がりも販売価格は据え置き
昨年収穫された米の品薄状態が続き、全国的に小売店の仕入価格が徐々に上がっている。6~8月は例年、米穀店やスーパーの店頭で前年に収穫した古米とその年の新米が入れ替わる時期に当たり、品薄傾向になりやすい。今年は昨年の猛暑による不作で古米の流通量が減っている上、コロナ禍で落ち込んでいた外食産業の回復やインバウンド(訪日外国人旅行者)の増加で需要が拡大し、品薄に拍車を掛けている。 農林水産省は毎月、JAなど全国の出荷業者と卸売業者との間の売買価格を調べて「相対取引価格」として発表している。6月の速報値は、全銘柄平均で昨年比111%と1割超の値上がり。県産米もコシヒカリは106%、ひとめぼれは107%となった。 宇部市内での米の価格について藤村米穀店(東平原2丁目)の藤村信介さんは「人気銘柄の新潟産コシヒカリや北海道産ゆめぴりかの仕入れ値は10㌔当たり200~300円、標準的な品種や県産米は100円程度上がったが、小売価格は上げていない」という。 フジグラン宇部の阪口真孝主任も「春先から仕入れ価格の上昇が続いているが、店頭での販売価格は据え置いている。今年の新米が出回るまで値段が下がることはないだろうが、全体では十分な仕入れができており、商品棚から米が無くなるといった事にはならない」と話した。 焦ってまとめ買いなどをすると、かえって価格高騰を招きかねない。JA山口県宇部統括本部によると、県内での米の収穫は9月に始まり、10月には新米が出回る。それまでは消費者の冷静な対応が求められる。