「ユニバーサルエンターテインメント」社長の「65億円裏金」疑惑 元執行役員が実名告白
ユニバーサルエンターテインメントの公式SNS
お粗末極まりない会社である証拠の一つが、内部告発者が報復されること。 目下、パチスロ機メーカー最大手「ユニバーサルエンターテインメント」(UE)を率いる富士本淳社長(65)が株主代表訴訟の法廷に立たされている。そのきっかけは、「カジノ王」と称されたUE創業者、岡田和生(かずお)元会長の「爆弾証言」だった。そもそも、富士本社長よりも前に、同じ株主の訴えによって岡田元会長は株主代表訴訟の被告の身に。資産管理会社「オカダHD(ホールディングス)」の抱える焦げ付きを肩代わりさせるべく、UEの香港子会社に1億3500万香港ドルを融資させた疑いが持ち上がったからだ。 結局、岡田元会長の上告が9月に棄却され、日本円でおよそ20億円にのぼるUEへの支払い命令が確定した。齢81にして、身ぐるみ剥がされそうな岡田元会長だが、その関連訴訟で明かしたのが謎の巨額送金の存在。2012年5月、富士本社長の主導で、UEからIなる弁護士名義の「HSBC銀行」の口座に4350万ドル(現在のレートで65億円)が振り込まれていたのである。岡田元会長は、公私混同を理由に自らをお払い箱にした富士本社長こそ、不正送金に手を染めた張本人であるとの主張を展開したのだ。 (カネに振り回される人々のドラマを描く「週刊新潮」の連載コラム「MONEY」より)
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「週刊新潮」2023年11月9日号「MONEY」欄掲載