二刀流起用の本気度で計った大谷翔平獲得の本命球団とは?
ようやく決着をみた新ポスティング制度。今年に限っては旧制度を1年延長するなど、半ば大リーグ側が折れ、“大谷ルール”を容認する形で決着したが、来年から適用される新制度には、疑問の余地を残した。 その点については改めて触れるとして、これでオーナーの承認が得られれば、大谷翔平の大リーグ移籍が年内にも実現する。 大谷の獲得をめぐっては、すでに争いが本格化しており、先週行われたGM(ゼネラルマネージャー)会議で各球団のGMに話を聞くと、二刀流挑戦に積極的なのか、消極的なのか、という根本の部分で、温度差があることが判明した。 そこをたどれば、大谷獲得に真剣かどうかが、自ずと絞られよう。同会議が行われたホテルで取材に応じた大谷の代理人を務めるネズ・バレロは、「翔平は、両方やってみたいと言っている」と明言し、「我々としては彼の考えを尊重し、それが実現するためにどんな苦労も惜しまない」とも話しているのである。 「Why Not?」 大谷は本当に大リーグでも二刀流をすべきなのか。あるいは、可能なのか。 そんな問いに対してそう答えたのは、マーリンズの最高経営責任者を務めるデレク・ジーター(元ヤンキース)だ。GM会議に引き続き、同じ会場で行われたオーナー会議に出席した際に囲み取材に応じた彼は、帰り際にぶら下がった日本人記者に、「1年間通して2つをやるとなると、それはチャレンジだ」と続けたものの、そこにはむしろ、”やってみたらいいじゃないか”という含みがあった。 ただ、マーリンズの場合は、ジーターらを中心とするグループに球団が売却されたことに伴って、大胆なリストラが行われている最中。海外のスカウティング担当だったアルベルト・ゴンザレスもチームを離れ、ロイヤルズへ移った。代わって、カブスで日本のスカウトなどをしていたフェルナンド・セギノール(オリックス、日ハム、楽天でプレー)を国際スカウト部門のディレクターに据えたものの、まだまだ、態勢作りをスタートさせたばかり。ジーターが大号令をかけたところで、手遅れか。 対照的に、二刀流に積極的なチームはすでに準備ができている。