<ビリオン×スクール>出演中の柏木悠「ここで経験したことが、きっと音楽でも活かせるはず。誰かの気持ちを動かすということは音楽も芝居も同じだと思うので」
山田涼介演じる億万長者が身分を隠して高校教師になり、さまざまな問題に直面している生徒と共に成長していく姿を描く「ビリオン×スクール」(毎週金曜夜9時~9時54 分、フジテレビ系)。 AI開発のために教師として高校に赴任してきた加賀美零(山田)と秘書の芦沢一花(木南晴夏)が、「やる気ゼロ、才能ゼロ、将来性ゼロ」の生徒が集められた通称“ゼロ組”と呼ばれる3年0組を受け持つことに。ゼロ組にはさまざま生徒がいて、加賀美は頭を悩ます。 今回は、第3話(7月19日放送)でもフィーチャーされた映画オタクの鈴木司を演じる柏木悠に直撃インタビュー。役についてをはじめ親友・紺野直斗を演じた松田元太との交流など話を聞いた。 【写真】前の席の生徒さんとおしゃべり中。ほか全11枚 ■鈴木は本当に紺野のことが好きでかなり友情を大切にするタイプ ――クランクインしてから約1カ月くらい経ちますが、現場には慣れてきましたか? 初めは人見知りが発動してしまうんじゃないかと思っていたのですが、みなさんがフランクに話しかけてくださるので楽しいです。同世代の方も多いので、本当に明るくて仲がいい現場です。特に僕が演じる鈴木の友人・紺野を演じている松田元太さんとはかなり仲良くなったと思います。最初のきっかけは忘れちゃいましたが、話し掛けてくださるので話していたらいつの間にか仲良くなっていたという感じ。今では普通にふざけあいながらこちょこちょするまでの仲になりました! 役以外でも紺野と鈴木のような関係性になっている気がします。 ――悠くん自身は、鈴木司はどういう人物だと考えて演じていますか? 友達思いの映画オタクかな。本当に紺野のことが好きでかなり友情を大切にするタイプ。その気持ちはすごく分かります。あと僕は映画オタクではないけれど、サッカーが大好きなので、鈴木の気持ちが少しは分かるんです。監督とも話し合って、あまり役を作り込まずに素の自分も出しつつ演じています。自分を活かしつつ脚本から得られる鈴木の要素をプラスして演じている感じです。 ――共通点がないように感じる柏木さんと鈴木ですが、すごく自然に見えるのは素の自分を活かしているからなんですね。 元々大人しいタイプなので、自分では違和感がないのかな?とは思いますが…違いますか? おかしいな(笑)。でも今回、監督と出会えて演技への考え方が180度変わりました。それまでは事前にどう演じるかを考えて、現場で披露するというのが多かったですが、今は少しずつですけど、その場で対応するお芝居をするように意識しています。このことで生きたお芝居もできるし、相手との掛け合いを大事にすることができる。役がよりリアルになっている気がします。これはうれしい発見でした。 ――それはクランクインしてから気づいていったことですか? 脚本をもらった後、生徒みんなでワークショップを開いてもらいました。それまでは僕自身、演技がどちらかというと得意ではないと思っていたんです。でも監督から、僕の得意不得意や素の自分を活かして役になればいいと教えていただいて。そこで何かが変わった気がします。めちゃくちゃためになったし、演技をするのが純粋に楽しみになったというか。それが今、カメラの前で活かせている気がします。 ■今回鈴木を演じて、より友達と一緒にいる時間を大事にしたいと思うようになりました ――第3話では鈴木がゼロ組に落ちた理由や紺野との友情話が描かれましたが、周りの反響はいかがでしたか? 熊本の友達からも見たよ!って連絡がきたりかなり反響が大きくてうれしかったです。実は脚本をもらったとき、少し悩みました。鈴木がゼロ組に落ちた理由が、小学生がよく笑うような下ネタを言ったからだったので。みんなに見られる恥ずかしさもあって台本をもらったときは「えーっ」って声が出ました(笑)。実際に撮影では役とはいえ恥ずかしかったのは変わらなかったです。大人になるとサラッと言えるのかと思ったけどまだまだでした。ただ、こんな理由でゼロ組に落ちてしまうのは鈴木らしいなって思います。 ――爆破シーンなどかなり印象的でしたがいかがでしたか? 20~30メートルほど離れたところで爆破は行われたのですが、音が本当にすごかったし、熱も伝わってきたのでかなり驚きました。ライブで特殊効果のファイヤーなどは使うので慣れていたつもりでしたが…。本当に映画みたいな撮影で。あんな大規模の撮影を間近で見たことがなかったので、単純にワクワクしていました。 ――紺野との友情シーンも感動的でした。 プールで一緒に映画撮影をするシーンは印象的でした。ただ、松田さんは独特なセリフばかり言わされていましたが(笑)。きっと鈴木監督は想像力が豊かなファンタジー系を得意とする監督なんだと思うんですよ。笑いを届ける系の監督というか。だから、ややこしいセリフやイマジネーションたっぷりのセリフがたくさんあって…。鈴木監督の作品、一度見てみたいですよね。彼自身、目の前にあるチャンスは全力で拾っていきたいと思っているタイプだと思うので、どこかで鈴木監督の作品をお届けしてもらいたいです(笑)。 ――鈴木と紺野は些細なことで友情が壊れていきましたが、柏木さん自身は友情がこじれたことはありますか? 僕はないです。でも気持ちは少なからず分かるというか…。僕自身、東京に引っ越しをしたことで必然的に会えなくなる友人がいたので、そのときの寂しいという思いなどを大切にして演じました。今回、鈴木を演じて、より友達と一緒にいる時間を大事にしたいと思うようになりました。 ■改めて素敵な作品に出合えたと思います ――山田さんや木南さんとのシーンもたくさんありましたがいかがでしかた? お二人は先生だけど先生じゃないみたいな役で。一緒のシーンも普通の先生と生徒とは違った雰囲気で楽しかったです。そして何よりも山田さんと木南さんの掛け合いを間近で見られたのはうれしかったです。笑っちゃいけないけれど笑いそうになって危なかったのですが、かなり勉強になりました。あと先生で言えば、他の方々の演技も袖から見させていただいていて、面白いんですよ。監督が笑ってカットをかけるのを忘れちゃったりするほどで。本当に勉強になる、刺激のある現場です。 ――山田さんとの距離も縮まっていますか? ありがたいことに普通にお話をさせてもらっています。この間、フジテレビで撮影をしていたら、その後に超特急の撮影があるためにメンバーが続々と集合していたんです。それを見た山田さんが「超特急のところに僕も行った方がいい?」と冗談を言ってくれて。実際に来られたらみんな緊張しちゃうので「絶対に来ないでください!(笑)」と言いましたが、そういう他愛のないことを話せるのはうれしいです。 ――10代最後の夏、充実した毎日を送っているんですね。 本当に刺激になっています。そしてそういう人たちに囲まれてお芝居ができているのはかなり大きな経験です。改めて素敵な作品に出合えたと思います。そしてここで経験したことが、きっと音楽でも活かせるはず。誰かの気持ちを動かすということは音楽も芝居も同じだと思うので。ここからラストにかけて、まだまだ勉強できたらと思います。 ――生徒たちの過去が明らかになってますます目が離せなくなっていますが、今後の見どころを教えてください。 生徒同士の掛け合いも多くなってくるし、加賀美先生のまだ触れられていない過去も明らかになっていくと思います。学園ドラマでもありコメディーでもある唯一無二なドラマなので、先生と生徒の関係性を楽しんでいただけたらと思います! 取材・文=玉置晴子