作曲家・故湯浅譲二さんへの「オマージュ」 古里の福島県郡山市で功績を音楽でたどるコンサート
7月21日に亡くなった福島県郡山市出身の作曲家で文化功労者、郡山市名誉市民の湯浅譲二さんの功績を音楽でたどるコンサート「湯浅譲二へのオマージュ」は9、10の両日、郡山市中央図書館で開かれている。9日は関係者らが合唱や演奏、トークを行い、現代音楽の新しい可能性を追求してきた湯浅さんの軌跡をたどった。 同図書館の主催。約200人が来場した。同図書館名誉館長で東京芸大名誉教授の船山隆さんがあいさつ。トークでは湯浅さんの長女玲奈さん、親交のあったピアニストの高橋アキさんと音楽評論家の柿沼敏江さんが登壇し、「湯浅譲二を偲ぶ」をテーマにそれぞれ思い出を語った。柿沼さんは「湯浅さんが自身の作品について語るたび、郡山への思いがあふれていた。創作の根源には古里があったと思う」と振り返った。 湯浅さんが創設に携わった母校・郡山市の安積高合唱部は、湯浅さんが創立130周年記念事業として編曲した校歌などを披露。高橋さんら演奏家4人が、東日本大震災からの復興を祈る「おやすみさい」など湯浅さんの作品5曲を奏でた。
会場には湯浅さんの著書や楽譜、湯浅さんを特集した音楽雑誌などを展示している。 最終日の10日は午後1時から。電子音楽の演奏やシンポジウム、音楽を手がけた映画「お葬式」(伊丹十三監督)などを上映する。