シャネルが「絶対的な信頼をおいた」女性アーティスティックディレクターが退任へ。早くも"後任"に注目集まる
6月5日夜(現地時間)、シャネルがアーティスティックディレクター、ヴィルジニー・ヴィアールの退任を発表した。メゾンに約30年間在籍した彼女は、故カール・ラガーフェルドが最も信頼する右腕として功績を残し、彼が永眠した2019年に後任として現ポジションに着任。約5年間に渡り、メゾンのクリエイションを率いた。 【写真】辞任を決めたヴィルジニー・ヴィアールが生み出した、アイコニックな功績をプレイバック! シャネルは次の声明文を発表した。 「コレクションのアーティスティックディレクターとして、5年にわたって豊かな活動をともにしてきたヴィルジニー・ヴィアールが退任します。この期間、彼女はシャネルのクリエイティブの伝統に敬意を表しながら、メゾンのコードを更新し、シャネルのファッション、創造性、バイタリティーに素晴らしく貢献いただきました」 なお、後任などクリエイティブの新体制について近日発表されるとのこと。 ヴィアールはラガーフェルドのレガシーを引き継ぎながら、自身の若々しい感性も取り入れ、遊び心がありながら実用的な服を提案。新しい世代の顧客層を取り入れた。実際、シャネルのプレタポルテのビジネスは約2.5倍に成長したと言われている。 直近に発表した3シーズンを振り返ると、別れの3部作のようにも捉えられる。イギリスのマンチェスターで発表した2023-24年 メティエダール コレクション、フランスのマルセイユで発表した2024-25年リゾートコレクション、そしてフランス・ドーヴィルを舞台に、映画『男と女』にオマージュを掲げた2024-25年秋冬コレクション。 ヴィアールは自身とシャネルにとって、意味を持つ場所を発表の地に選んだ。そして、これら土地が彼女のインスピレーションとなり、シャネルでのキャリアを成し遂げさせてくれた。 彼女の後任について、すでに噂が飛び交っているが、最有力候補の一人はエディ・スリマンだ。他にも、ピエールパオロ・ピッチョーリやサラ・バートンの名前も上がっている。 ヴィアールの計り知れない才能と、彼女が率いたシャネルのビジョンが今後、見られないのは寂しい。女性がシャネルのクリエイティブのトップに立ったことは、創業者のココ・シャネルも誇らしく思ったはずだ。ヴィアールと、彼女の次なるチャプターに、乾杯!
Harper's BAZAAR JP