阪神・藤川球児が80球熱投で示した復活と変化
藤浪、メッセンジャー、能見、岩田に続く5人目、6人目の先発争いに藤川が参戦してくれば、その競争によって、先発ローテーションのレベルが底上げされ、先発から漏れたピッチャーが中継ぎに回ることでブルペンの層も厚くなる。現状、藤川は先発の心つもりで準備に入っているように見受けられるが、退団したオ・スンファンの後釜として、新外国人のマルコス・マテオ(31)がはまらないならば、藤川が代々役に指名される可能性もゼロではない。 ただ、その一方で、まだ、その復活に懐疑的な見方があるのも事実。“007”の一人は、こう言った。 「四国アイランドリーグでも、計画通りに登板ができていなかったと聞く。藤川のピッチングを見る限り、先発転向を意識しているように見えるが、ローテーションを守るためには、ここからキャンプが進んでいく中で続けて投げ込みができるのか、というスタミナ面を見ていかねばならない。また制球力で勝負するつもりなら、変化球の精度はどうなのか。ストレートを速く見せることのできる配球ができるのか。ここ一番の場面では、どの程度まで力を入れたストレートとピッチングを見せることができるのか。ここからチェックすべき課題はたくさんある。首脳陣がどんな期用方法を考えているかにもよるが、その課題をクリアできなければ、例え5番目、6番目の先発候補でも(先行きは)厳しいだろう」 確かに「藤川・復活」とタイトルを打つ日は、まだまだ先。だから藤川はまだ多くを語らないのだろう。2年契約を結んではいるものの、藤川にとって勝負のキャンプがスタートした。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)