第95回選抜高校野球 東邦、4年ぶり春切符 令和でも頂点目指す /愛知
<センバツ高校野球> 第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の選考委員会が27日開かれ、東邦の4年ぶり31回目の出場が決まった。吉報を受けた選手らは全国制覇を目標に掲げ、健闘を誓った。平成最初と最後のセンバツ王者となった東邦が令和の頂きを目指す。大会の組み合わせ抽選会は3月10日。同18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【森田采花、川瀬慎一朗】 名古屋市名東区の同校では、部員や関係者が集まり、選考委員会のライブ中継を見守った。午後3時53分、出場決定が発表されると、会場では大きな拍手が湧き上がり、選手たちは笑顔で喜びをかみしめた。 中庭には出場を決めた選手らを祝おうと、生徒や保護者が駆けつけた。選手たちが整列し、藤本紀子校長が激励すると、大きな拍手に包まれた。校舎には出場決定の懸垂幕が掲げられたほか、サプライズでマーチングバンド部が登場し、演奏で祝福した。 念願の春切符に選手たちは抱き合って喜んだ。主将の石川瑛貴(2年)は「投打ともにチームを強くし、絶対優勝を目指す」と意気込み、最速149キロの右腕エース、宮国凌空(2年)は「東海大会ではチームを勝たせる投球ができなかった。甲子園ではどんな試合も最少失点に抑え、優勝に導く投球をする」と気を引き締めた。 リードオフマンの中村騎士(2年)は「この瞬間を楽しみに待っていた。この冬で変化球に対応できる打力を身につけたい」と喜び、昨秋の東海大会で強打でチームを支えた藤江壮太(1年)は「絶対レギュラーに入ってチームの勝利に貢献できるバッティングをしたい。初めての甲子園なのでわくわくする」と夢の舞台に胸を躍らせていた。 選手たちに胴上げされた山田祐輔監督は「チーム一丸となった成果で、うれしい。全国制覇に向けて確実にできることを一つずつこなして力をつけ、感動を与えられる試合にしたい」と述べた。 ◇懸垂幕でエール マーチングバンド部祝福 東邦のセンバツ出場決定が報告されると、校舎には「祝選抜高校野球大会出場」と大書された懸垂幕(長さ8メートル幅90センチ)がかけられた。懸垂幕を見たバレー部の小栗大生さん(2年)は「甲子園でも活躍してほしい。自分たちも2月に東海大会があるので負けずに頑張りたい」と話した。 懸垂幕がかけられた直後には、マーチングバンド部員約30人がサプライズで演奏し、出場を祝った。演奏が終わると石川瑛貴主将が「全国制覇できるよう頑張るので、甲子園でも応援お願いします」と感謝した。 マーチングバンド部の駒田律弥部長(2年)は「最高のバッティングができるように全力で応援したい。自分たちの演奏で選手たちを鼓舞し、優勝してほしい」と語った。甲子園では選手一人一人の応援歌など計約30曲を演奏するという。 ◇号外500部配布 東邦のセンバツ出場決定を受け、毎日新聞社は27日、出場を報じる号外500部を同校で配布した。 号外を手にした大島善也(1年)の母和美さんは「皆すごく格好よく写っている。けがなく甲子園を迎えてもらい、優勝を目指してほしい。全力で応援したい」と笑顔を見せた。 ………………………………………………………………………………………………………. ◇優勝全国最多5回 1923年東邦商業学校として開校し、今年が創立100周年の節目を迎える。「真に信頼して事を任せうる人格の育成」を建学の精神とし、校訓は「真面目」。48年、新学制により現校名に変更。85年に男女共学化し、2015年に商業科が募集を停止、現在は普通科と美術科がある。 野球部の創部は1930年。甲子園にはこれまで春30回、夏17回の計47回出場。春は34年に初出場初優勝を果たし、39年と41年にも優勝。平成最初の89年と平成最後の2019年にも王者となり、センバツの優勝回数は全国最多の5回。 主なOBに元巨人の山倉和博捕手や中日の藤嶋健人投手、JR東海元監督でNHK高校野球解説でおなじみだった大矢正成さんら。