<上海株急落>中国の経済成長は終焉するのか 日本への影響は?
日本経済への影響は限定的か
もし将来、中国経済が失速するとなれば、企業によっては大きな影響を受けると考えられます。それでも日本経済全体への影響は限定的でしょう。図で日本から中国、米国への輸出額の推移と内訳を示してみました。 中国への輸出品の構成は、米国への輸出とは異なります。一般機械や電気機器(主に電子半導体)など中間財と呼ばれるものが多く、それらの多くは間接的にはEUや米国への輸出につながっています。図で分かるように、リーマンショック後、2010年でも米国への輸出は回復していませんが、それは主に輸送機器(自動車)の輸出減が響いたためです。ところが、中国への輸出は元に戻っています。 もし中国経済が悪化すれば、日本経済が影響を受けるのは間違いありませんが、リーマンショックのような欧米での発生に比べると小さいものにとどまるはずです。ただ、隣国でもあり、単純に貿易だけを考えればよいわけでもないでしょう。 中国政府と中央銀行がどのような政策を採用するかによって、今後どうなるかはずいぶん異なります。そもそもの発端は、中国が経済成長を維持するための手段として金融政策を用いていることや、株式市場などで介入を強めたことです。中国は共産主義国でありながら、自由な経済活動を導入することで発展してきましたが、ここにきて、政府は経済成長維持のための介入を強め過ぎているようにみえます。日本の経験からもいずれ行き詰まることがあり得ますので、今回の混乱が落ち着いたとしても、日本の企業は中国経済の変動に対応できるようにしておいたほうがよいでしょう。