メッカ大巡礼の死者1300人超える 8割は無許可の「非正規」巡礼者
イスラム教の聖地であるサウジアラビア西部メッカへの大巡礼(ハッジ)で死者が相次いでいることを巡り、サウジのジャラジル保健相は23日、国営テレビで、これまでの死者は1301人に上ったと明らかにした。ロイター通信が伝えた。死者の83%は政府の許可を得ていない「非正規」の巡礼者だったという。 【干ばつ・洪水・猛暑…今、地球で起きていること】 報道によると、ジャラジル氏は、死者が相次いでいるのは「直射日光の中で長距離を歩いているため」と説明。死者には慢性的な持病を抱える人も含まれているとしているが、メッカでは6月、気温が50度を超える日もあったことから、熱中症になった人も多いとみられる。 ハッジはイスラム教の「五行」の一つで、サウジは毎年、参加者に特別なビザを発給している。AFP通信によると、今年は外国人160万人を含む180万人以上が参加した。 一方、2019年に観光ビザが解禁されて以降、エジプト人を中心に許可なしでハッジに行く人も増加している。こうした非正規の巡礼者は冷房のある避難場所などを使えないうえ、サウジ当局の取り締まりを避けるため長時間歩くケースも多いという。ロイター通信によると、エジプト政府は22日、許可なしで巡礼者をハッジに送ったとして、国内の旅行会社16社の免許を剥奪したと発表している。【カイロ金子淳】