巨人・戸郷エースの「責任感」粘って2失点も制球乱れ「反省」 5回降板「反省」
◆JERA セ・リーグ 広島2―0巨人(17日・マツダスタジアム) 巨人が広島に敗れ、連勝は2で止まった。先発・戸郷翔征投手(24)が5回6安打2失点と粘ったものの、2死球など制球も乱れ、試合の流れを呼び込みきれずエースとして反省の言葉を並べた。打線が7回まで毎回走者を出したが、バントミスなど拙攻もあり今季6度目の完封負け。マツダでは今季これで2分け2敗と白星がまだない。昨季3勝9敗と苦しんだ敵地で、同じ轍(てつ)を踏んではいけない。 本調子でなくとも、戸郷は粘ってまとめた。それでも試合後、本人の口からはチームを勝利へ導けなかった反省が口を突いた。「いい投球ができなかったらチームは負けるんで。そこの責任感というのは強いです。そういうところが、今日出た試合かなと思います」。打線の援護なく、5回6安打2失点で2敗目を喫した。 初回、2死三塁を招くと、4番・小園にフォークを右翼線へ運ばれ、先制二塁打を献上。警戒していた同学年には、これで今季9打数6安打と苦手としている。5イニング中、4度先頭の出塁を許すなど毎回走者を背負う展開だったが、大崩れはしなかった。今月3日の阪神戦(東京D)では6回途中、3失点で降板。「ちょっとだらしなかった」と右腕に厳しかった阿部監督だったが「悪いなりに辛抱して、何とかゲームをつくってくれた」と、ねぎらった。 ただ、本人の中では反省の念が色濃く残る。逆球も多いなど戸郷らしくなく、4回無死二塁でバントの構えをしていた会沢には死球となるなど、3四死球。制球が乱れ、球数も102球とかさんだ。「(制球を)制御できないようでは、試合をつくれないと思う。そういうところの反省はしっかりして次につなげられればと思います」と見据えた。 若手投手であったら、十分に合格点と言える結果でもある。ただ、エースとしてチームを引っ張る存在だからこそ、求められるものは高い。開幕投手の今季は、そこからずっと中6日で、この試合の大瀬良や阪神・青柳、DeNA・東、広島・九里らと対決してきた。相手もエース級だからこそ、そこで勝ち切らないといけない試合が続く。 杉内投手チーフコーチは「何とか投げていたとは思うんですけどね」としつつ、「今日以上の接戦になって、もしかしたら先に点を取って、そのまま逃げ切る可能性だってある。初回に点を取られちゃうと、やっぱり追う立場は苦しいんでね」と指摘した。「本当に5回で降ろされたというところを反省しないといけないと思います」と戸郷。もう1ランクも2ランクも進化するべく、この悔しさを糧とする。(田中 哲)
報知新聞社