【推しの子】7話場面カット

　アニメ【推しの子】1期で、「鳥肌もの」とトップクラスに話題となった名シーンがある。それが、“天才役者”である黒川あかねが、“伝説のアイドル”アイに完全になりきり、キャラクターを豹変させた場面だ。 【映像】アイを憑依させたあかね（22分36秒ごろ～） 　現在配信中のアニメ【推しの子】は、赤坂アカ氏と横槍メンゴ氏のタッグによる、累計発行部数1800万部突破の大ヒット漫画が原作。産婦人科医のゴロー（CV：伊東健人）が、大好きなアイドル・アイ（CV：高橋李依）の息子・アクアに転生したことから物語が大きく動き出す。目の前でアイを殺され、アクアは復讐のため事件の真相を探ろうと芸能界に足を踏み入れていく……。2023年にアニメ第1期11話が放送され、2024年7月から10月にかけて第2期が放送。第3期の制作も決定している。 　アクアらとともに恋愛リアリティショーに出演するあかねは、「劇団ララライ」所属の17歳の女優だ。演劇の世界では天才俳優として知られる存在だったが、それはあくまで演技の話。“黒川あかね”自身として振る舞わなければならないリアリティ番組では、どうしていいかわからず良さを発揮できずにいた。 　思い悩んだあかねは、焦りからか番組撮影中に不慮のアクシデントを起こしてしまう。それが視聴者からの大バッシングを呼び、あかねは収録欠席に追い込まれてしまった。その後も収まらない炎上に命を絶とうとすらしていたあかねだったが、アクアのお陰で踏みとどまる。アクアら共演者たちの尽力で世間の風向きが変わると、あかねは休んでいた番組に復帰することを決めた。 　その際、“素の自分”を守るために何かキャラを演じることにしたあかねは、自分を助けてくれたアクアの好みの女性がカリスマアイドルのアイであることを知る。もともと役について深くプロファイリングして演じるタイプだったあかねは、アイのように振る舞おうと人格に至るまで徹底的に研究した。 　そして迎えた復帰の日。収録が始まった瞬間、あかねは完全にアイをトレースしてみせた。表情から口調、声色までアイそのもの。周囲があっけにとられるなか「ふぁっ……。眠いんだよねー、収録早すぎてさー。あっ、もうカメラ回ってる？」と笑うあかねの瞳には、なんとアイと同じ星まで見える。その姿に、アクアは驚きで言葉を失っていた。 　まるでアイが憑依したようなあかねの姿が見る者の度肝を抜いたということは、それを演じた声優の力量が凄まじかったことにほかならない。放送時、あかね役の声優・石見舞菜香について「（アイ役の）高橋李依さんと入れ替わったのかと思ったら違った」「一瞬マジで声優変わったかと思った」「石見さんの技量に脱帽」「すごすぎて、鳥肌たった」と絶賛の声が続出していた。 （C）赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会