マカオ税関が中国ボーダー近くの工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点摘発…大量の牛もつなど発見
澳門海關(マカオ税関)は8月28日、同月27日夜にマカオ半島北部・台山エリアの牧場街にある工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点の店舗兼倉庫を摘発したと発表。 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。 税関によれば、運び屋を使った密輸活動に対する監察及びパトロールを強化して臨む中、 27日夜に当該工業ビル内で運び屋向けの密輸品供給拠点になっているとみられるテナントを発見したことから、即座に摘発をおこなったとのこと。 摘発時、店舗には責任者の男がおり、テナント内から牛もつ2500キログラム、乾物(動物のすじ肉)320キログラム、合計およそ43万パタカ(日本円換算:約772万円)相当が見つかったという。
当該テナントの責任者の男(31)はマカオ人で、税関ではこの男が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、運び屋の男とともに対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、食材の保管状況(温度管理)が食品安全法に触れる可能性があるとして市政署に通報したほか、営業許可証なしで店舗を開設していたとして財政局による調査も進められることになるとした。 アフターコロナでマカオと外地の往来が正常化した昨年の年初以来、マカオでは運び屋が絡む密輸事案の摘発が頻発している。昨年から直近にかけてマカオから中国本土への密輸出で摘発されたケースについては、牛もつやロブスターといった食材と中古スマホやCPUといった電子製品が目立つ。