うちの家庭、iDeCoとNISAどちらが向いていますか? 夫・高卒会社員+妻・扶養内パートのケース
Aさんは30代後半、高校卒業後から同じ企業で会社員をしています。妻も同級生で、扶養内でパートをしています。子どもは小学生と幼稚園児で、教育資金はコツコツ貯めているとのことです。現在、住宅ローンも問題なく払っています。 ただ、高卒の平均年収が大卒と比べて低いという資料を見て、今後の生活資金など不安になり、予算的にまずはiDeCoかNISAのどちらか一方から始めたいそうです。どのようにしたら良いかアドバイスします。
高卒と大卒の賃金格差
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」の学歴別に賃金を見ると、男性では、大卒 39.19 万円、高卒 29.5 万円、また女性では、大卒 28.83 万円、高卒 21.8 万円となっています(※1)。 高卒の収入は男女とも大卒と比較して75%程度となっています。厚生年金は年収が少なければ受け取る年金額も少なくなります。一般的に老後の収入は年金が主となるため、Aさん夫婦の心配ももっともです。これから子どもの教育費も増えるため、今から準備することが大切です。
投資の目的とゴール
資産運用を行うときは、目的(何に使うのか)とゴール(いつまでにいくら蓄えるのか)を明確にしておきましょう。目的とゴールが不明確なまま資産運用を始めて、いつの間にか、お金を増やすことだけが目的となっている人もいます。 Aさんの場合、今後の生活資金が不安とのことですが、住宅ローンも確実に返済していて現状の生活費は問題なさそうです。ただし、将来の子どもの教育資金、老後の生活費については今から準備が必要と考えられます。それぞれ必要な時期と目標額を明確にして、毎月の積立額を算出します。
iDeCoとNISA比較
AさんはiDeCoとNISAのどちらかを始めたいとのことですので、まずはその違いを確認しておきましょう。 両方とも資産形成・運用を非課税でできる制度ですが、以下のように、その目的やルールに大きな違いがあります。なお、確定拠出年金には企業型と個人型があり、今回は個人型のiDeCoを対象にご説明します。