最新"狙い目"私立3校。「東京都高校授業料無償化」で神奈川・千葉・埼玉の“進学コスパ最強”私立を視野に入れるべき根拠
学歴研究家「じゅそうけん」として活動する伊藤滉一郎氏が、入学偏差値と進学実績を鑑みたうえでの“コスパのよさ”を考慮、神奈川・埼玉・千葉で狙っていきたい“お買い得”な私立高校を紹介する。 【画像】最新"狙い目"私立3校
東京一極集中が加速するなら、あえて逆張りも
「東京都高校授業料無償化」というビッグニュースが飛び込んできました。 これは、私立を含む都内のすべての高校の授業料を来年度から実質無償にするというもので、世帯年収910万円未満が対象だった現行の所得制限を撤廃するかたちになりました。これにより、中学受験市場や私立高校受験市場に大きな影響が及ぶものとみられています。 これまで私立校が敬遠される最大の理由は「高額な学費」でした。 私立中高一貫校に中学から通う場合、学費は6年間で500万円が相場です。地価や物価の上昇が止まらない首都圏において、これだけの金額を捻出するのはなかなか大変なことであり、「なんとしても公立に行ってほしい」という方針のご家庭も少なくありません。 そこで今回の改革です。 私立中高一貫校に6年間通っても、トータルでかかる学費はこれまでの半額程度。これは、首都圏のご家庭が中学受験や私立高校受験に一気に参入しやすくなったことを意味します。 最難関校の人気は変わらないはずですが、中堅以下の学校の倍率が上がるのではないかと個人的には予想しています。特に施設が充実している私立高校などは、今後人気校になっていくのではないでしょうか。 仮にこの動きが東京のみに留まるのだとしたら、都内の高校に人気が集中することになり、逆に近隣の神奈川・埼玉・千葉の私立進学校がこれまでよりも“お買い得”になるかもしれません。 そこで、これから特に“狙い目”になりそうな私立進学校を、この3県から1校ずつピックアップしてみました。
早慶合格者100名超の“お買い得”校
「山手学院高校」(神奈川県) 神奈川県横浜市に所在する共学の中高一貫校。 中高一貫校ながら高校受験で生徒を広く募集しており、偏差値の高い学生も数多く入学します。 また、中学・高校受験の難易度に対して進学実績がよく、“お買い得”校としても知られています。 特に早稲田大学・慶應義塾大学受験に強く、100名を超える早慶合格者を輩出する年も珍しくありません。2023年は、一橋大5名、東工大5名、横浜国立大17名、早稲田大61名、慶應義塾大62名といった、学区1~2番手の公立進学校クラスの実績を残しています。 前身が英語塾であることが関係しているのか、建学の精神のひとつに「国際交流」を掲げており、国際的に活躍できる人材を育てることを目標としているのも特徴です。 それゆえ、中学3年生でオーストラリア、高校2年生で北米、とそれぞれ現地でのホームステイを兼ねた修学旅行を実施しています。