中国・李強首相 聴く耳は持つが日本の経済界トップの要望には応えられない「立場」
日本からの要求に対して解決策を出す気はない
飯田)ビジネスをやるにしても、反スパイ法で拘束される可能性もある。 宮家)私でも中国へは行きたくありません。私が捕まるかどうかはわからないけれど、「悪いことをしていないから絶対捕まらない」という保証はないのだから。法の適用が不透明なので、透明化されるまでは行きたくないと思いますね。 飯田)ビザの要望もありましたが、具体的な解決策が出てきたわけではない。 宮家)解決策を出す気はまったくないと思います。中国ではすべてが政治であり、習近平さんが決めていますから。昔であれば「国務院」という国家機関が強かったですからね。共産党ではなく国家の組織として、日本で言う内閣に相当するものがあり、国務院総理はその長です。本来であれば、行政を担う人がそれをやるのだけれど、もはや現在はあまり権限がないですよね。 飯田)意思決定が。 宮家)李克強前首相の時代に弱くなっていたけれど、いまは圧倒的に党が優位でしょう。 飯田)李強さんを「執行役員クラスだ」と言う人もいます。 宮家)それも可哀想ですが、実際には、政治が主導権を握る状況がますます強化されていると思います。