チャーミングなイケオジ俳優、クォン・ヘヒョさん「ホン・サンス監督の分身だとは思ったことないよ」【映画「WALK UP」インタビュー】
近年のホン・サンス監督作に不可欠な俳優
絶好調の韓国の映画界で、“ホン・サンス以前/以後”と評されるくらい大きな影響を与えてきたホン・サンス監督。“得も言われぬ面白さ”とでも言いたくなる、クスクス笑いを心の中にポコポコたくさん生み出すような、そんな“さりげなくも忘れ難い瞬間”を捉える監督ですが、驚くのがその多作ぶり。ファンにとっては嬉しい限りですが、数のみならず、そのすべてがハズレなし、というのがスゴイ! ほとんど傑作・佳作(近年はほぼすべて三大映画祭に出品され、受賞も多数)で、全作品が一定以上の面白さだなんて本当に驚異的です。 そんなホン監督の近年の作品にかなりの頻度で登場するのが、今回、来日されたクォン・ヘヒョさん。ホン・サンス監督28作目となる『WALK UP』に主演されたクォンさんに、興味津々の撮影裏話をうかがいました。 ●クォン・ヘヒョ 1965年11月6日、ソウル生まれ。1990年に舞台で俳優として活動をスタート。『冬のソナタ』(02)のキム次長、『私の名前はキム・サムスン』(05)の料理長などで広く知られるように。近年の主な出演作に、『新感染半島 ファイナル・ステージ』(20)、『オマージュ』(21)など。ホン・サンス監督作には、『3人のアンヌ』(12)、『あなた自身とあなたのこと』(16)、『夜の浜辺でひとり』(17)、『それから』(17)、『川沿いのホテル』(18)、『逃げた女』(20)、『あなたの顔の前に』(21)、『小説家の映画』(22)、『WALK UP』(22)の他、最新作『A Traveler’s Needs』(24)にも出演。現在Netflixで配信中のドラマ『寄生獣 ―ザ・グレイ―』(24-)にも出演。 ──── ホン・サンス監督作品には“欠かせないダメ男”というイメージがあるのですが、新作に呼ばれる度に、“またあの感じが戻ってくるな”みたいな感覚がありませんか? 「欠かせない存在かどうかは分からないけど(笑)……自分では似ている役とか、似たようなダメ男とかは全く思わないな。監督から呼ばれる度に気になることがあるとすれば、ただ一つ。果たして今度の映画はどんな話なんだろう、ってことだけ。それは毎度とても気になります。でも心配無用。だって現場に入るまで、監督がどんな話を撮るか僕らは知らないので(笑)!」