大崎署から移送される宝島真奈美容疑者（２７日午後９時１分、東京都品川区で）＝高橋美帆撮影

　栃木県那須町で東京都千代田区の飲食店経営宝島龍太郎さん（５５）夫婦の遺体が見つかった事件で、警視庁は２７日、夫婦の長女で会社役員宝島真奈美容疑者（３１）（世田谷区等々力）を夫婦に対する殺人容疑で逮捕した。真奈美容疑者は事件前に夫婦が経営する会社の役員を退き、事件後に社長に就任していた。警視庁は経営を巡るトラブルがあったとみている。 【図解】一目でわかる…事件に関わった容疑者らの関係

　事件では、真奈美容疑者と内縁関係にある会社役員の関根誠端被告（３２）ら男６人（いずれも死体損壊罪などで起訴）が殺人容疑で再逮捕されており、逮捕者は計７人目。

　発表によると、真奈美容疑者は他の６人と共謀し、４月１５日深夜～１６日未明、品川区東五反田の空き家の車庫内で、宝島さんと妻幸子さん（５６）の首を絞めるなどして殺害した疑い。真奈美容疑者は事件現場には行っていないが、押収された関根被告のスマートフォンの解析などから、事件に関与した疑いが浮上したという。

　宝島さん夫婦はＪＲ上野駅周辺の繁華街で居酒屋や焼き肉店など十数店舗を経営。真奈美容疑者は夫婦の会社で取締役を務め、関根被告もマネジャーとして経営に携わっていた。真奈美容疑者は事件前の今年１月に取締役を辞任したが、事件後の５月に社長に就任していた。

　関根被告は会社の運営方針を巡って宝島さん夫婦と確執があったとされ、警視庁は真奈美容疑者と関根被告が夫婦の経営方針に不満を抱き、殺害を計画したとみて調べている。

　今月上旬に真奈美容疑者と会ったという宝島さん夫婦の知人男性は、「（真奈美容疑者は）『私も事件の被害者なんです』と話していた。店舗数を絞って経営を続ける方針と聞いていたので驚いた」と話した。