400台限定の“伝説のホットハッチ”をオークションで発見 WRC5連覇を記念した特別な「ランチア」とは
マルティニカラーの限定車
2024年12月にUAEドバイで開催されたRMサザビーズ主催のオークションに、1992年式ランチア「デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネ」の限定車が登場しました。どんなクルマでしょうか。 【画像】ラリー界を席巻したイタリア製ホットハッチ! ランチア「デルタ・インテグラーレ」の限定車を見る(25枚)
1987年、世界ラリー選手権のルールブックが書き換えられました。これまでのグループBの時代は終わり、新車としてディーラーで購入できる量産車にずっと近いグループAマシンに道を譲りました。 新しい時代を迎え、偉大なユハ・カンクネン選手がランチア「デルタHF 4WD」をドライバータイトルとメーカーズタイトルの栄光に導き、ランチアは順調にスタートを切りました。これが WRC 史上最大の成功の始まりでした。 デルタはその後、エンジン出力の向上やトレッド幅の拡大、ブレーキの大型化、サスペンションの改良などを導入したスペシャルな公認ロードカーのおかげで進化し、モデルの派生モデルは6年連続でチャンピオンシップを獲得しました。またドライバーのミキ・ビアシオン選手とカルロス・サインツ選手(父)がカンクネン選手と栄光を分かち合い、1992年まで完全制覇が続きました。 今回、オークションに登場した限定版の「デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネ“マルティニ5”」は、その名のとおり、1991年にランチアが 5年連続で優勝したことを記念して発売されました。 ショルダーラインとトランクリッドには、当時のラリーカーのスポンサーであるマルティニの有名な赤と青のストライプがあしらわれ、わずか400台が製造されました。 210馬力を発揮する16バルブの2リッター4気筒ターボエンジンを搭載し、5速マニュアルギアボックスとフルタイム4輪駆動が組み合わされます。「マルティニ5」には、ラリースタイルの15インチホイールと、赤いステッチと赤いシートベルトが特徴のスエードバケットシートも装備されています。 オークションに登場したモデルは、400台中388台目のモデルとなっています。 初期の履歴ははっきりとはわかっていませんが、最近までサウジアラビアのリヤドに保管されていました。このランチアは、タイミングベルトとクラッチの交換、ターボチャージャーの再構築、ブレーキとサスペンションのオーバーホールを含む、2022年5月の広範囲な再稼働サービスを受けています。カタログ作成時の走行距離計は8010kmを示していました。 スペアホイール、ツールキット、ジャッキ、オーナーズガイド、サービスブックが付属するこのマルティニ5は、歴史に残るWRCの成功を祝うものであり、モータースポーツ愛好家やコレクターの心をつかむことは間違いありません。 ※ ※ ※ そんな1992年式ランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネ“マルティニ5”は、14万9500USドル(日本円で約2343万円)で落札されました。
VAGUE編集部