「体を変えていく」ことがボディビルの本質。令和の怪物・相澤隼人の「今」と「未来」
――厳格なドーピング検査が実施されているナチュラルな団体で、日本人が外国人選手に勝って優勝したという点ではいかがでしょうか。 「日本人ってすごいんだなとあらためて思いました。海外選手と比べて骨格的な不利を指摘されることもありますけど、緻密な全身のバランスやカットなどの細部は負けていないと思います。とくに岡田先生は研究者なので、しっかりとしたトレーニング理論を持ちつつ脳みそのネジを外したような強度のトレーニングをしているので、そこがまたいいんじゃないかなと思いました」 ――2024年は日本選手権で4連覇がかかりますが、目標についてはどのようにお考えでしょうか。 「一番は楽しむことです。連覇のプレッシャーについては、2023年でそれがなくなりはじめました。今は連覇よりも、自分の体を変えることを大事にしたいです。体が変わって負けたらその時はその時で悔しいんでしょうけど、『長い目で見たらそういう時もあるのかな』と考えられるようになりました。2024年は何よりも楽しくボディビルができればと思います。昨日よりも今日ですし、先週よりも今週、先月よりも今月という形で成長していきたいです」
相澤隼人(あいざわ・はやと) 1999年10月21日生、神奈川県出身。中学時代は柔道で神奈川県新人戦優勝の実績を残しつつ、ボディビル競技にも挑戦。日本大学高校在学時には、全国高校ボディビル選手権を3連覇という記録を打ち立てる(2015年~2017年)。日本体育大学進学後には、2021年の『第67回日本男子ボディビル選手権大会』で優勝を達成(当時21歳という年齢での優勝は63年ぶりの快挙)。その後も2022年、2023年と同大会で優勝を飾り、連覇実績を3に伸ばした。現在は競技と並行してゴールドジムでパーソナルトレーナーを務めつつ、トレーニングや競技の魅力を伝えるセミナー活動も積極的に行なっている。
取材・文/森本雄大 写真/木村雄大