あなたの知らない札幌《JR札幌駅》後編 動物保護を助ける作品も
【北海道・札幌】人口200万人の声も聞こえる北の大都市・札幌。その札幌には、多くの観光地や名物施設があります。とはいえ、札幌市民ですらそれらのすべてを知っているわけではありません。そこで不定期連載として「あなたの知らない札幌」と題した企画をスタート。第6回後編は、JR札幌駅の「JRタワーアートプロジェクト」全52作品の中から、北海道ゆかりの5作品を紹介します。(解説/JRタワーアートプロジェクト、構成/橋場了吾)
6.アイヌ・トライブ(床州生・小林陽一/JRタワーオフィスプラザさっぽろB1F)
阿寒出身の木彫作家・床州生(とこ・しゅうせい)さんと小林陽一さんの手による、アイヌの伝統文様を彫り込んだ作品。アイヌにとっての海の神シャチと山の神シマフクロウが彫り込まれています。この作品、2004(平成16)年の設置当時は平らでしたが、12年の時を経てだんだんと反ってきています。その反り方からも、凄まじい生命力が感じられます。
7.黎明(國松登/東モール1F)
作者の國松登さん(故人)は函館出身。JR札幌駅とJRタワーホテル日航札幌の通路口に設置されている、全幅12m・高さ4mを超える巨大なステンドグラスです。この作品はかつて西コンコースに設置されていましたが、改築の関係で東コンコースにL字型に設置されていました。その後、2011(平成23)年に無事今の形に落ち着きました。
8.コインズ(長谷川仁/東モール6F)
子どもたちの一番人気のアート作品と言えるのが、函館出身のアーティスト・長谷川仁(じん)さんの手による『コインズ』。絶滅危惧種の保護に役立てたいという思いから、コインを入れていくと動物に色がつくという作品になっています。写真のシマフクロウのほかゼニガタアザラシ、エゾヒグマバージョンもあり、580万円近く(2015年現在)集まったコインは札幌市円山動物園と野生動物保護基金に寄付をしています。
9.テルミヌスの風(國松明日香/エスタ11F)
「黎明」の作者・國松登さんのご子息で小樽出身の彫刻家・國松明日香さんの作品。室蘭で作られたコルテン鋼(錆びに強い鉄鋼合金)を使用しているのですが、2m以上の高さがあるのでエレベーターで運ぶことができず、明日香さんはエスタの屋上までやってきて作業をしていました。