被災地で地域の若者がお手製の「運動会」 子どもたちは元気に楽しみ大人たちも笑顔に 石川・珠洲市
いまだ元日の地震の爪痕が残ったままの被災地ですが、多くの子どもたちを笑顔にしたいと、石川県珠洲市で活動を続ける若者たちがいます。 発災から5か月、開催したのは「運動会」です。 「ただいまより運動会を始めたいと思います。イエーイ!」 珠洲市野々江町で1日に行われた運動会に参加したのは、珠洲市や能登町に住む子どもとその保護者およそ150人です。 運動会を開催する団体代表の真脇魁さん「きょうはすごいいい天気になって運動会日和になりました。地震からきょうで5ヵ月になりますけど、みなさんまだまだ大変な事あると思いますけど、そんな大変なことも忘れてきょう1日思いっきり楽しみましょう」 運動会を企画したのは、珠洲市で生まれ育った20代から30代の若者6人。元日の地震以降、動画を制作したりライブを開いたりして住民を元気づけようと活動を続けています。 グラウンド横のテニスコートには仮設住宅があります。小中学校のグラウンドでは仮設住宅の建設が進み、子どもたちの外での活動に影響も出ています。 「リレー楽しかったです。優勝目指したい!」 Qどんな気持ちで玉転がした?「なにも考えてませんでした。みんなで1位になりたい」 運動会を開催する団体代表の真脇魁さん、運動会を企画するのはもちろん初めてです。 代表・真脇魁さん「上手く回らない。手は回らないけど、学校の先生みたいに慣れとらんから」 企画メンバー・吉田亮太さん「そのぶん子どもの笑顔見れとるんで最高です。それが自分らの支えなんで」 お昼ご飯は、カレーやからあげにフライドポテト、そして、おやつにわたがしなど、子どもたちの大好きなものばかり。弁当を持ち寄ることが難しい状況の中、真脇さんの思いに賛同したボランティア団体が無償での提供を快諾しました。 子どもたち「いただきます。おいしい」 保護者「中々こう集まることってないので、よかったね遊ぶ場所も限られてますしね」「すごく楽しめて子どもたちも(地震を)すっかり忘れて元通りみたいな感じのところもあるので、それはとても良かったと思う」 青空の下で元気いっぱいに走り回る子どもたちの姿に、大人たちにも笑顔が広がります。 多くの課題が残る被災地で、若者たちは、住民が少しでも前を向けるようにと活動を続けます。 真脇魁さん「またやりたい人~!最高です。自分たちも親のみなさんも子どもが笑顔な姿を見ると、元気に頑張っている姿をみるとまた頑張れる、幸せになれると思うので、自分らも今後、運動会だけじゃなくてみんなで関われる行事作っていくので、またよろしくお願いします」「全然復興と言える復興は進んでいないけど、進んでいないとはいえどポジティブに考えていく。メンタル的な面は自分らがサポートできると思っているので、子どもだけじゃなくて大人も関わっていける行事ができればいいかなと」
北陸放送