万能スタイルかも!? ドレス×スポーティな「ショパール」の薄型時計
腕時計のプロたちが魅了された一本をリコメンドする本企画。今回は、時計ジャーナリストの高木教雄さんが「ショパール」の『L.U.C XPS フォレスト グリーン』を選びました! クラシカルな顔に絶妙なスポーティ感を兼ね備えた大人にふさわしい佇まいです。 腕時計のプロが選ぶ「一本取られました!」
選者:時計ジャーナリスト 高木教雄/ネオクラシックなSS製ラグジュアリーウォッチ
1860年より独立家族経営を貫くラグジュアリーウォッチ&ジュエリーメゾンであるショパール。なかでもL.U.Cは自社製ムーブメントを搭載し、技術の粋を集めたコレクションです。 本作は、1930年代に好まれた円と斜線とで構成されたセクターダイヤルが、クラシカルで味わい深い一本。それをフォレストグリーンに染めて、巧みにモダナイズしています。 時計を外した時に目にできるムーブメントは、22Kエシカルゴールド製のマイクロローターを用いた薄型自動巻きで、隅々にまで伝統的な手仕上げが行き渡っています。 ケースは、原料の80%以上をリサイクル由来とした独自のルーセントスティール™製で、サステナブルであることは、語りどころでしょう。かなり戦略的な価格設定も、魅力です。
「ラグスポにとって代われる万能機」(高木)
2針+スモールセコンドのセクターダイヤルで、ノンデイト。さらに7.2mm厚の薄型とくれば、これが嫌いな時計ファンは少数派なはず。個人的にも、大好物です。 ともすればクラシカルに偏りがちな組み合わせを、色とストラップ素材・ステッチで適度にスポーティ感を併せもたせた、その匙加減が絶妙。これならスーツにもカジュアルにも合わせやすい。 近年ラグスポ一辺倒だったSS製高級ウォッチの牙城に一太刀入れた一本は、ムーブメントに仕上げの美しさに、思わず見惚れます。
● 高木教雄(たかぎ・のりお)
時計ジャーナリスト。1962年生まれ。大学では機械工学を学ぶ。1990年代後半から時計を取材対象とし、時計専門誌やライフスタイルマガジンなどで執筆。スイスで開催される新作時計発表会に加え、工房取材を積極的に行う。著書に『世界一わかりやすい腕時計のしくみ』(世界文化社)など。
文/高木教雄 編集/岸澤美希(Web LEON)