マイナス金利の比にならないほどの劇薬!? ヘリコプター・マネーとは?
なぜ最近、ヘリコプター・マネーの議論が活発化しているのか
最後に、なぜ最近になってヘリコプター・マネーの議論が活発化しているかというと、その背景に「金融政策の限界論」があります。16年入り後は、日銀のみならず、ECBなど先進国の中央銀行が金融緩和を強化しましたが、景気は思うように回復せず、物価も勢いがありません。 そこで思い出されたのが、2年前までFRB議長を務めていたバーナンキ氏が、かつて言及したヘリコプター・マネー政策です。同氏は「ヘリコプター・ベン」とのあだ名があるとおり、従来からこの政策に肯定的な見方を示していました(回顧録で本人は一部否定していますが)。 中央銀行に“打つ手なし”との諦めムードが広がりつつある今、発表当時はかなり奇抜な意見として処理されてきたこの政策が再び脚光を浴びたというわけです。 (第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一) ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。