奥田瑛二の人生を変えた二人の恩師、議員秘書を経て付き人になったのは母校の先輩だった大物俳優
『かくしごと』にはやるべき僕の姿があった
『洗骨』は2019年に公開された映画で、沖縄の離島にある“洗骨”という風習を通して家族の絆を描き、奥田さんは酒浸りで無職の父親という一人の市井の人を演じた。 「レジェンドみたいな役が続いていた時に、こういう第一線から退いた人の話が来るんですよ。話もすっごく面白いし良いんですよ。これまでも作品には恵まれてきたと思うけど、どこかで見直さなきゃなってずっと思っていたら、来たのが今回の『かくしごと』だったんです。この作品にはやるべき僕の姿があったと思う。老いぼれでも色んな作品があるから、演じるキャラクターを優先して出続けていきたい。現実的には僕も自分の会社(ゼロ・ピクチュアズ)を持っていて経営のことも考えなきゃいけないから、稼ぐとこでは稼がせてもらいますよ(笑)」 最新出演作『かくしごと』では認知症の老人を演じた奥田さん。映画人としての思いは今後も続いていく。 奥田瑛二(おくだ・えいじ) 1950年3月18日、愛知県生まれ。1979年、『もっとしなやかに もっとしたたかに』で映画初主演。『海と毒薬』(86年)で毎日映画コンクール男優主演賞、『千利休 本覺坊遺文』(89年)で日本アカデミー主演男優賞、『棒の哀しみ』(94年)でキネマ旬報主演男優賞などを受賞。2001年、映画『少女~an adolescent』で映画監督デビュー。長編3作目となる『長い散歩』(06年)では第30回モントリオール世界映画祭グランプリ等三冠を受賞するなど、多岐にわたり活躍している。 鈴木一俊
鈴木一俊