熊本市電の脱線事故、市長「年末年始に運行できずおわび申し上げる」「今年は1件も事故起こらないように」
昨年12月31日に熊本市中央区で発生した熊本市電の脱線事故を受け、同市の大西一史市長は6日の年頭記者会見で「年末年始に運行できず、利用者の皆さんにご迷惑、ご心配、ご不安をおかけしたことをおわび申し上げる」と陳謝した。市電を巡っては昨年、脱線事故を含めて計16件の運行トラブルが起きており、市は運行態勢を強化する安全対策チームを1日付で設置した。 【写真】熊本電鉄の電車と車が衝突した熊本市北区の踏切
市交通局によると、チームは運行管理課に設置した。行政職員と経験豊富な運輸職員計6人で構成し、運転士の育成や指導などを専門的に行う。従来は、市電を運行している営業所が運転士の指導も担っていた。指導業務を専門部署が行うことで、指導の実行性の強化が期待できるという。
大西市長は、安全に関するノウハウの蓄積や技術継承、人材育成への効果にも期待を寄せ、「今年は1件も事故やインシデントが起こらないように最大限、使命を果たしたい」と決意を語った。
市電を巡っては昨年、赤信号の見落としやドアが開いたままでの走行といったトラブルが相次いだ。脱線事故後は補修工事や原因究明のため、市電は2日まで一部区間が運休となり、3日始発から全線で運行を再開した。市交通局は脱線の原因について、線路幅が基準値よりも広がっていたことを挙げている。