【袴田巌さん第8回再審公判】弁護団「捜査機関のねつ造がエスカレート」検察「ねつ造は誤り」
旧清水市で一家4人を殺害したとして死刑が確定している 袴田巌さんの再審やり直しの裁判が静岡地裁で開かれ、弁護側は「捜査機関のねつ造がエスカレートした」と主張しました。 袴田巌さん(87)は1966年旧清水市で勤務先のみそ会社専務一家4人を殺害したなどとして、死刑が確定しています。 出発前のひで子さん: 「いつもと一緒。5月の終わりまで何はともかく頑張っていかなきゃ。出席しなきゃと思っている。欠席なんてわけにいかんから」 堀優奈アナウンサー: 「午前10時半前です。91歳になったばかりの袴田巌さんの姉ひで子さんと弁護団らが静岡地裁に入ります」
静岡地裁で開かれた再審公判。 午前中は弁護団がおよそ1時間にわたって、確定判決で袴田さんが侵入したとされる経路や、脱出したとされる裏木戸などについて冒頭陳述を行いました。 弁護団は検察が主張する侵入経路や方法は困難などとした上で「極めて重要な侵入方法が自白を基にねつ造された」と主張しました。 さらに脱出したとされる裏木戸についても、「止め金がかかっていたことは明らか。かかっていても脱出できるという捜査報告書までもがねつ造された」と訴えました。 堀優奈アナウンサー 「弁護側はきょうの公判でも裏木戸や焼けた紙幣について、捜査機関のねつ造だと強調しました。その上で最大の争点となっている5点の衣類について、ねつ造がエスカレートした集大成だと痛烈に批判しました」
一方検察側は証拠のねつ造や複数犯だとする弁護団の主張は、誤りだと指摘しました。 袴田さんが凶器とされるクリ小刀を購入した店の場所や、特徴について実際に行った人でしか話せないことを供述しているとして、取り調べの録音テープを法廷で流しました。 音声は大部分が不明瞭でしたが、検察側は「供述の誘導などはない」と強調しました。 再審公判はあすも行われ、検察側が5点の衣類についた血の色について立証する予定です。