木村拓哉、篠原涼子「往年の視聴率俳優」に強まる逆風。“変わらないキャラ作り”には既視感も
コア視聴率が高くないのは当然の話
一方、標準指標となって4年になる個人視聴率は幼児から高齢者まで全世代の視聴者を調査対象とする。だから「ALL」とも呼ばれる。『Believe』はALLが常に2位以内に入っているわけだ。 個人視聴率は特定の世代に絞った数字も出せる。その1つが、13歳から49歳までに限定した「コア視聴率」である。この数字はCM単価、売上高に大きく左右する。CMを出す意欲の強いスポンサーの上位には、コア層を主なターゲットとする業種が並んでいるからだ。ゲーム・通信業などである。 『Believe』はこのコアがそう高くない。第5回は2.0%で5位。ただし、木村ばかりを責められない。そもそも木村の岩盤支持層が本人と同世代の50代以上の女性(F3層)なのは分かり切っていることなのだ。20代のころにフジ『ロングバケーション』(1996年)などを観ていた世代だ。逆に、10代から30代が木村の熱烈なファンだったら、そのほうが驚きである。 木村のテレ朝での前作『未来への10カウント』(2022年)も岩盤支持層であるF3層の個人視聴率は高く、10%を軽く超えていた。驚異的な数字であり、全連続ドラマの中で断トツだった。一方で女性の20歳から34歳(F1層)の個人視聴率は極端なまでに低く、2%前後。男性の20歳から34歳(M1層)に至っては1%を割ってしまうこともあった。 『Believe』でもこの傾向は変わらない。第5回の場合、F3層の個人視聴率は突出しているが、F1層の視聴率は1.7%とかなり低い。これでは対象年齢が13歳から49歳のコア視聴率も高くならない。 20代から30代前半の女性にとって木村はひと回り以上年上で、身近に感じにくい。いつの時代も若い視聴者の関心事は若い俳優たちだ。木村の所属していたSMAPの解散からも7年が過ぎた。 フジ『教場0』が10代にも受けたのは新垣結衣(35)や北村匠海(26) 、赤楚衛二(30)、白石麻衣(31)ら若手俳優が新人刑事に扮し、木村は指導官役として一歩引いていたからにほかならない。作風もハードボイルド・ミステリーで刺激的だった。