米株、日銀政策修正でレパトリも-脱ドル化の危険をモルガンSが警告
(ブルームバーグ): モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのリサ・シャレット最高投資責任者(CIO)は、ドルを圧迫する構造的力が、米国株にも波及する恐れがあると株の強気派に警告した。
シャレット氏は中国との関係悪化、日本銀行のイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)終了、ビットコインと商品価格の上昇を挙げ、ドルの騰勢が「限界に達しつつある可能性」を示唆すると指摘。「ドルのレジームシフトに備えるよう検討すべきだ」と主張した。
「相関関係は因果関係ではないが、ドル高と株価収益率との相関は、ドルの強気相場サイクルが成熟しつつあるかもしれない今、注目に値する」と見解を示した。
シャレット氏によれば、ドル高は輸入物価とエネルギー価格の押し下げを通じて、米国の「イージーマネーレジーム」の中心を成し、それが最近の株式市場のパフォーマンスを後押ししてきた。
米国株の潜在的調整に備えるヘッジとして、将来の株式リターンを求めて海外に目を向けるようシャレット氏は最近投資家に勧めた。S&P500種株価指数が今月最高値を更新する状況でも、ウォール街の他の少数派と共に株式の最近の強気相場を警戒している。
シャレット氏によると、主要10カ国(G10)諸国が金利を引き下げるタイミングで日銀が金融政策を引き締める見通しがドルを圧迫する。それは円相場と日本の金利を押し上げ、米株からのレパトリ(資金回帰)のフローを促すと予想される。特に米大統領選を控える時期の米中関係の亀裂は、脱ドル化の動きを加速させる危険があり、金価格高騰はそうした動きを恐らく反映していると同氏は分析した。
原題:Morgan Stanley Warns US Stocks at Risk in ‘Dollar Regime Shift’(抜粋)
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Carter Johnson