「森の芸術祭」盛況の中でフィナーレ迎える 岡山県北の自然や風土、作品に生かして魅了
秋の岡山県北で58日間にわたり繰り広げられた「森の芸術祭 晴れの国・岡山」(県などでつくる実行委主催)が24日、閉幕した。地域の豊かな自然や歴史、風土を生かしたアート作品は最終日も大勢の芸術ファンらを魅了。12市町村を舞台にする異色の分散型となった美の祭典は盛況の中でフィナーレを迎えた。 【写真】帰途に就く観光客を見送り 国史跡・津山城跡(津山市山下)では、石垣前にそびえる高さ約5メートルの竹の空間芸術作品を目当てに次々と家族連れやカップルらが訪れ、色づく木々とともにカメラに収めたり、作品内部の竹ドラムをたたいて響きを確かめたりしていた。 女性公務員(60)=大阪市=は今月上旬に鏡野、奈義町を訪ね、この日は津山市内を巡ったといい「どの作品も素晴らしく、初めて行く場所ばかりで楽しめた。会場が東西に広く回り切れなかったのは残念だが、次回開催に期待したい」とほほ笑んだ。 JR津山駅では鑑賞を終えて鉄道で帰途に就く観光客を、アートディレクターの長谷川祐子・金沢21世紀美術館長、谷口圭三津山市長や芸術祭スタッフ、駅員らが「また来んちゃい!」と大書した横断幕や旗を手に“お見送り”。一日かけて津山市、奈義町の会場を巡った男性会社員(24)=東京都=は「自然とアートを一緒に楽しめて刺激的だった。古い町並みと現代作品も調和していて感動した。地域をもっと知るためにも、今後も続けてほしい」と話した。 芸術祭は12カ国・地域の作家42組が参加。県天然記念物の鍾乳洞・満奇洞(新見市)や奈義町現代美術館(同町)など5市町21カ所で作品を公開した。