「天の声が聞こえて中間管理職になった感じ」国との協議で小池知事が恨み節
東京都の小池百合子知事は10日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の「緊急事態宣言」への都としての対応を発表した。国との協議が続いていた休業要請を行う施設の詳細を明らかにし、合意に至ったいきさつや心境を吐露した。 【全編動画】東京都・小池知事が会見 休業要請の対象施設を公表
「東京に『2週間状況見て』はあまりに酷」
「都としては国と協議した上で、外出自粛に加え施設営業休業を要請した」。小池知事は当初、政府が「緊急事態宣言」を出した7日に、休業要請を行う対象施設を発表する予定だったが、国から「外出自粛の効果を見極めてから」という意向を受け、発表が遅れたとの思いをにじませた。 政府の「緊急事態宣言」の根拠となる新型コロナウイルスに対応した特別措置法では、宣言後は指定区域になった都道府県知事が、地域の実状に合わせて感染拡大防止に向けた措置を実施することになっている。ただ7日に改定された政府の「基本的対処方針」では、施設の休業要請などについて「特定都道府県は国に協議の上、必要に応じ専門家の意見も聞きつつ、外出の自粛等の協力の要請の効果を見極めた上で行うものとする」との方向性が示された。 都は「緊急事態宣言」を見据え、休業対象施設などについて事前に検討を進めてきたが、「途中から国との協議が入ってきた」。小池知事は「権限は社長かと思ったら、天の声がいろいろ聞こえて中間管理職になった感じ」と恨み節も口にし、「感染爆発の重大局面にある東京にとって、『ここから(外出自粛で)2週間状況を見て』はあまりにも酷である。地域に合った形にしてもらえないかということで、お認めいただいた」と休業要請までの経緯を語った。 危機管理に対する持論も披露した。「最初に大きく構えて、そこから状況が良くなると緩和していく。様子を見てから広げるのではなく、最初に広げて段々縮めていくというのが普通の危機管理ではないか」。東京では9日に180人超の新規感染者が出るなど「非常に切迫した状況」(小池知事)が続いており、スピード感をもった対応が必要だったと強調した。