認知症予防!上から読んでも下から読んでも同じ「回文音読」脳に効くXで大バズリの作品
自由で不自由。だから脳を刺激する
ある種の制約があるからこそ、難しくて面白い、そして心に残る回文。その魅力は? 「ネット上でバズる回文は、たいていナンセンスでユーモラスなものが多い。もちろんそれも回文の面白さではありますが、魅力はそれだけではありません。 グッとくるもの、ちょっと切ないもの、想像が広がるもの、そんな回文も作れるし、作りたいと思っています。回文だからこそこんな素敵な詩になった、そんな心に届く一文に出会いたいです」 すべてを表現しすぎないことで、読む人が自由に想像できる、そんな作品を目指しているというコジヤジコさん。回文の形式も定型にとらわれず、さらに不思議で迷路に迷い込んでしまいそうな作品も。 脳を柔らかくほぐして、回文の世界を楽しんでみよう。
「情景が思い浮かぶ」回文
詳しい描写がなくても、不思議なリズムの中にワンシーンが浮かぶ バクも乗る夜の木馬(ばくものるよるのもくば) 坂の下歩いている、あたしの傘(さかのしたあるいているあたしのかさ) 読むよ手にミステリ借りて隅にて読むよ (よむよてにみすてりかりてすみにてよむよ)
「物語を感じる」回文
お話の一文を切り取ったように、言葉のパズルが想像力を刺激 悔いて、聞いて、目覚めて、生きていく(くいてきいてめざめていきていく) よしなさい蝶よ 小さい蝶よ 小さな詩よ (よしなさいちようよちいさいちようよちいさなしよ) 夜 詩を読み 優しい子は歌う 歌うは恋しさ 闇夜を知るよ (よるしをよみやさしいこはうたううたうはこいしさやみよをしるよ)
「心に寄り添う」回文
日々のストレスに疲れている時、そっとやさしく心をほどいてくれる なら軽く頑張るか、光る番が来るからな (ならかるくがんばるかひかるばんがくるからな) なんか辛かろ、風呂から浸かんな(なんかつらかろふろからつかんな) さあ生まれ変わり、別れ舞う朝(さあうまれかわりわかれまうあさ) 解説してくれたのは……加藤俊徳先生●脳内科医。医学博士。加藤プラチナクリニック院長。独自に開発したMRI脳画像診断法を用い、1万人以上の脳を診断、治療。『1日1文読むだけで記憶力が上がる!おとなの音読』(きずな出版)など、著書多数。 回文を作ったのは……コジヤジコさん●回文家、言葉遊び作家。主にXで回文作品を発信。回文絵本に『よるよ』(偕成社)、『まくらからくま』(岩崎書店)、回文集に『よるのいぬいのるよ』がある。X:@cozyar_kaibun