古民家再生、地域に開放 砺波・東保 築148年、散居と北欧を融合
●クロダハウス10日オープン 砺波市東保(ひがしぼ)にある築148年の古民家が再生され、地域住民のコミュニティースペースとして開放される。輸入住宅などを手掛けるクロダハウス(金沢市)が、散居村の伝統建築に北欧住宅の要素を組み合わせたオープンハウスに改修した。アズマダチなど特徴的な意匠を残しながら、耐震性や断熱性を向上させた。10日にオープニングセレモニーを行う。 【写真】アズマダチの特徴を残した外観=砺波市東保 リノベーションした物件は1876(明治9)年に建てられた屋敷で、6年以上空き家になっていた。同社が砺波市の空き家バンクを通して購入した。 木の部材の間に白壁を塗るアズマダチ独特の造形を残しながら、外壁は北欧に多いアースカラーの一つである山吹色にした。2部屋あったワクノウチ構造を活用して居室に改修。座敷と仏間はリビングとキッチンに作り替えた。家具や照明、カーテンなどインテリアに北欧の雰囲気を取り入れ、名称は「東保の家」とした。 コミュニティースペースの活用は同社が地元の石坂自治会に提案。当面は会合場所として利用してもらう。同社は自治会に加入し、草刈りなど地域活動に参加する。 散居村の住宅は伝統的な建築様式を残しながら、リフォームを経て多世代に受け継がれてきた。北欧にも家を住みつなぐ文化があり、同社は日本と北欧の要素を融合させたリフォームを提案するため、リノベーションする物件を探していた。 日本を代表する農村風景である散居村では、住宅が重要な構成要素だが、伝統的な造りの家は維持管理の負担などから、空き家になる例が出ている。 東一寛社長は「散居村景観に溶け込みながら、わくわくさせる家に仕上がった。リノベーションを考える際の選択肢やヒントにしてほしい」と話した。