「アイミタガイ」誰かを想ってしたことは巡り巡って誰かを救い、やがて自分に返ってくる…映画担当「推しの一本」
◆「アイミタガイ」(公開中、草野翔吾監督) 13年刊行の中條てい氏の小説が原作。黒木華(34)演じる梓は、中学時代からの親友・叶海(藤間爽子)を事故で亡くしてしまう。喪失感を抱える日常の中で、思いも寄らない縁の連続に背中を押されていく。 主演の黒木はじめ、叶海の両親役の西田尚美(54)、田口トモロヲ(66)ら実力派から、風吹ジュン(72)、草笛光子(91)といったベテランまで出演。登場人物全てがつながっていく不思議な縁や、心優しい人ばかり登場する展開でも現実感をもって観賞できるのは、キャストたちの自然な表現力によるところも大きい。 タイトルの「アイミタガイ(相身互い)」という言葉を、記者は本作で初めて知った。「誰かを想(おも)ってしたことは巡り巡って見知らぬ誰かをも救い、やがて自分の元に返ってくる」というメッセージをかみしめたくなる。じんわりと温かな気持ちに包まれる一作だ。(奥津 友希乃)
報知新聞社