レスリング・石黒隼士、初五輪決めて帰国「半信半疑の人にも『石黒強いんだぞ』と証明したい」
レスリング男子フリースタイル86キロ級の石黒隼士(自衛隊)が21日、パリ五輪代表を決めた五輪アジア予選(キルギス)から成田空港に帰国した。「終わった直後は安心感の方が強かったけど、いろんな方が連絡をくれて、報告していくうちに、オリンピック決まったんだなって実感が湧いてきている」と喜びをかみしめた。 今予選は上位2人に五輪出場権が与えられる準決勝まで2試合を戦う組み合わせだったが、初戦はまさかの不戦勝。相手選手がドバイの豪雨の影響でフライトが遅れ、計量に間に合わず失格になったという。ただ、当時はその状況を知らず、姿を現さない相手に「なんでいないんだろう。(巌流島の戦いで遅れて登場したという)宮本武蔵じゃないけど(作戦で)何かやられてるのかな、と不安がずっと強いままだった」と明かした。 試合直前に相手の失格を知ると、五輪切符を懸けて一発勝負となった決勝は韓国選手にわずか33秒でテクニカルスペリオリティー勝ち。チャンスをものにしたが「予選で1回しかやってない。しかも、すぐ終わってしまった。『これで決まりかよ』と良く思わない方も少なからずいると思っている。だからこそ、自分はパリで結果を残さなきゃいけない。半信半疑の人にも『石黒強いんだぞ』と証明したい」との思いが芽生えたという。 今後は6月のランキング大会(ハンガリー)を経て、今夏に向かう予定だ。「今まではパリ五輪の出場に対しての練習だった。今度はチャンピオンに勝つための練習になっていく。もう時間もないので、しっかりと限られた中で行える努力をしていく」と力を込めた。
報知新聞社