山口市の文栄堂書店、4月末で閉店へ 売り上げ落ち込み営業断念
山口市中心商店街にある老舗書店「文栄堂本店」が4月末での閉店を決めたことが18日、分かった。売り上げが落ち込み、営業の継続を断念した。県都の中心部に位置し、JR山口駅や市役所にも近い商店街から書店が姿を消すことになる。 【地図】山口市の文栄堂書店 同市商店街連合会が運営するホームページなどによると、同店は1949年創業。2階建てで、書籍や参考書、文具などが並ぶ。店頭には「諸般の事情により4月30日をもちまして営業を終了させて頂くことになりました」と閉店の告知が張り出された。 30年以上利用してきたという同市の会社員男性(53)は「訪れる度に新しい発見があって、落ち着ける空間でもあった」と惜しむ。 同店は中国新聞の取材に「地域の方々に愛されており期待に応えたいが、総合的に判断して苦渋の決断に至った」としている。県内にある文栄堂の他の店舗は営業を続ける方針という。 同連合会によると、文栄堂本店は現在、7商店街で構成する中心商店街で唯一の書店。連合会の川口雄一郎会長(50)は「貴重な書店がなくなるのはさびしい。商店街で買えないものが増えてしまう」と残念がる。 同市内の書店を巡っては、2023年2月に熊野町の宮脇書店湯田店が売り上げの減少のため20年の歴史に幕を閉じている。
中国新聞社