打ち上げられた大型漁船や奇跡の一本松……写真で見る震災復興
東日本大震災の発生から3月11日で3年。東北沿岸の町では、津波によって甚大な被害を受けました。中心市街地が広い範囲で被災し、漁港が壊滅。信じられない内陸にまで打ち上げられた漁船や、津波に耐えた一本の松。3年たった今、それぞれの場所はどのように変わったのか。復興の進み具合や被災地のいまを「写真」で見てみましょう。
第18共徳丸
東日本大震災の津波で宮城県気仙沼市の市街地に打ち上げられた大型漁船「第18共徳丸」。漁港から750メートル離れた内陸まで流されてきた。「震災遺構」として保存するべきか、撤去すべきか、意見が分かれたが、市側は保存を断念、共徳丸は撤去されることに。解体作業は2013年9月からスタート。1か月余りかけて行われ、10月末に終了した。
奇跡の一本松
陸前高田市に押し寄せた津波の中、唯一耐え残った高さ27.5メートルの「奇跡の一本松」。もともとは名勝「高田松原」で、約7万本といわれる松が植えられていた。復興のシンボルとして知られるようになったが、海水によるダメージで2012年5月に枯死(こし)。しかし、モニュメントとして保存することになり、伐採、防腐処理など10か月にわたる作業の末、2013年7月に「復活」した。
定点写真
◎女川町(宮城県) 14.8メートルの津波が襲った女川町。526人が亡くなった。大半の市街地が被災し、女川駅、女川町役場周辺の中心部は壊滅的な被害を受けた。
◎石巻市(宮城県) 3269人が亡くなった石巻市。最大8.6メートルの津波が押し寄せ、中心市街地はほぼ全域が浸水。市内のすべての漁港が被災した。
◎気仙沼市(宮城県) 共徳丸が打ち上げられた気仙沼市。港湾、漁業関連施設の多くが壊滅状態で、漏れ出した油によって海上火災も発生。死者は1041人。
◎陸前高田市(岩手県) 「奇跡の一本松」がある陸前高田市。中心市街地のほぼ全域や沿岸集落地の大半がぶ浸水。1700人以上が犠牲に。市職員も約3分の1が亡くなった。
写真提供: ・宮城県震災復興推進課 ・3がつ11にちをわすれないためにセンター/せんだいメディアテーク ・陸前高田市企画部まちづくり戦略室 (動画制作:TOMOニュース)