イオンより成城石井、ドトールよりスタバという油断 アラフィフ世帯年収1000万円でお受験に挑戦も収入急減の危機に
結婚、出産、離婚、子どもの受験、親の介護…。人生100年時代に直面する様々なライフイベントを乗り越えていくために必要なのが「お金」です。ただ、日々の生活に追われていると、いざという時のための「マネープラン」を考えていないケースがほとんどではないでしょうか。 【写真】家計破綻の危機 Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、40代で初めて第1子を授かったご夫婦が子どもの教育にお金をかけすぎて、自分たちの老後など、将来に不安を抱きご相談にきた事例をお話しします。(JBpress) (高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー) (注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください) 今回ご相談にやってきたのは、もうすぐ50歳というアラフィフの会社員T男さんと会社員の妻R子さんです。 T男さんとR子さんは、共に40代で結婚した晩婚カップル。数年の不妊治療を経て、T男さん44歳、R子さん43歳のときに娘さんが誕生しました。現在、娘さんは5歳、T男さんは49歳、R子さんは48歳になりました。 やっと授かった我が子は、かわいさもひとしおで、娘さんが欲しがるものはすべて買い与え、教育にもおしみなくお金を使っていました。 ところが、妻が娘さんの小学校受験に備えて仕事を辞めたいと言い出すなど、50歳を目前にしたT男さんの身にさまざまな問題が降りかかります。このままのペースでお金を使っていたら将来の家計は大丈夫なのかと、マネー相談にやってきました。
■ 経済的余裕があるからこその油断 T男さんもR子さんも長年正社員として働いてきてキャリアも積んできたので、夫婦2人の世帯年収は1000万円を超えていました。年収も高く、それなりに貯蓄もあるため、40代で子どもを授かり養育費が加わっても家計への影響はそれほどありませんでした。 むしろ遅くできた子どもがかわいくてしょうがないために、洋服一つでもブランドものを買い与え、「才能を伸ばすために」と、水泳、英語、プログラミング、ピアノといくつもの習い事を並行して英才教育に精を出していました。 高齢で子どもを授かった高収入の夫婦の家庭では、我が子が何をするにつけても「この子には才能がある」となり、お金も情熱も注ぎ込みがちになる傾向があります。 また、T男さんご夫婦も高収入世帯にありがちな、日常の出費でもワンランク上の出費をする傾向に。 例えば、スーパーならイオンより成城石井、ドトールよりもスターバックス、ユニクロよりもユナイテッドアローズ等々。高収入なゆえに払えてしまうから油断してしまうわけです。これを積み重ねた結果、定年近くになってほとんど貯蓄がないというケースも少なくありません。 T男さんも50歳を目前にし、さまざまな問題が降りかかり、将来に不安を感じるようになったようです。