リンゴの幹、枝 無料で伐採どうぞ 放任園解消へ青森県
病害虫防除進める狙いも
管理されていない、リンゴの放任園の解消に向けて、青森県は「フリー伐採園地」制度を2024年度から始める。所有者が承諾した放任園を対象に、希望者が無料で伐採できるようにする。リンゴの幹や枝は、まき材として人気で、放任園の伐採を通じて病害虫防除を進める狙いだ。 県りんご果樹課によると、県内のリンゴ放任園は約90ヘクタール。生産者の高齢化などから拡大傾向で、病害虫の発生源になる恐れもあり、課題になっている。県は補助金を設けて伐採を呼びかけているが、自己負担を敬遠する所有者もいるという。 県は、放任園を「フリー伐採園地」として登録。のぼりなどで園地や果樹を示した上で、リンゴ材を求める個人や業者に伐採を認める。幹だけでなく、根も無償で提供する。トラブル防止のため、当初は県が立ち合うことも検討している。 伐採を委ねることで所有者負担の低減を図る。補助金と組み合わせ、放任園の解消を図る。同課の松江利英課長は「予算が限られる中、工夫によって病害虫の防除を進めたい」と話す。
日本農業新聞