【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】メンゲレと私 特異な立ち位置の風景
ウィーンを拠点に活動するブラックボックス・フィルムによる、戦争体験者の証言を記録し映画として保存するドキュメンタリー企画「ホロコースト証言シリーズ」。 【写真】ロスト・フライト 無法地帯の島に不時着 ナチ宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの秘書を務めたブルンヒルデ・ポムゼルの証言を収めた第1作「ゲッベルスと私」。アウシュヴィッツを含む4カ所の強制収容所から生還したオーストリア最後のホロコースト生存者マルコ・ファインゴルトの証言を集めた第2作「ユダヤ人の私」。そして本作が3作目にして、シリーズ最終作となる。 証言者ダニエル・ハノッホ氏は、わずか12歳でアウシュヴィッツに強制収容された。美少年だったダニエル氏は、非人道的な人体実験を行ったことで知られるヨーゼフ・メンゲレ医師の寵愛(ちょうあい)を受けた経験を持つ。特異な立ち位置で見つめた戦争の風景が語られる。(桜坂劇場・下地久美子) ◇同劇場で9日から