『虎に翼』シソンヌはなぜコンビで起用されるのか? 俳優として役に与える“色気”
情感たっぷりなじろうと冷静な長谷川忍の掛け合いが魅力に
今回の『虎に翼』にもふたりで出演中だ。それぞれキャラクターの濃い弁護士を熱演し、舌戦を繰り広げた。妻・峰子(安川まり)側の弁護士(じろう)が感情を込めて声を荒げれば、夫・甚太(遠藤雄弥)側の弁護士(長谷川)はロボットのように冷たく言葉を放つ。ふたりのコントラストが非常に面白く、満足感あるやりとりを見せてくれた。 「コント師としても俳優としても“その他大勢”にならないパワー」「どのポジションに置いても、自らの仕事をきっちりとこなすユーティリティプレイヤー」……彼らの魅力を挙げればキリがないが「役に“色気”を与える」点は唯一無二ではないだろうか。 コントでも、映画・ドラマでも、シソンヌは演じる役に色気を与えるように思う。じろうや長谷川が演技をすることで、役の魅力が増幅する。ただ、命を吹き込むだけではない。観ている側が、彼らが演じる人間を好きになってしまうのだ。これは、コント師としても、俳優としてもシソンヌならではの能力だと思う。 この色気は、同じ作品にふたりがいると尚更感じるものである。朝ドラで“それ”を実感した人もいたのではないだろうか。『虎に翼』では、ふたりの法廷での掛け合いがどんな帰結を迎えるのか。楽しみでならない。
浜瀬将樹