タンタンメンにギョーザ…「テンホウ」の定番ミニチュアが人気 従業員が樹脂粘土で手作り
諏訪地域を中心に県内に33店舗ある飲食チェーン店テンホウの定番人気メニュー、タンタンメンやギョーザなどを模して作ったミニチュアが人気だ。一人の従業員が主に樹脂粘土で手作りしている。3年がかりで種類も増え、食べ終えた定食など表現にこだわったミニチュアも。このうちギョーザのピンバッジは諏訪市にあるテンホウ・フーズ本社で販売している。 【写真】人気メニューのミニチュアずらり
手作りしているのは、テンホウ篠ノ井店(長野市)の従業員小林智巳(ともみ)さん(50)。小林さんが働く篠ノ井店のレジ前には、手のひらサイズから指先ほどの大きさまでのミニチュアが並ぶ。麺や野菜、割り箸など細部にもこだわった造形。従業員の帽子にもミニチュアが付いており「かわいい」と店に訪れる客の楽しみにもなっている。
ミニチュア作りは、2020年ごろ、小林さんがレジ前のスペースに客の目を引くものを置きたいと考えたことがきっかけ。経験はなく、軽い気持ちで作り始めた。樹脂粘土を使い、最初は名物のギョーザから作り始め、ラーメンやかたやきそばなどの定番メニューも次々と作った。
麺を箸で持ち上げてスープが滴るタンタンメン、食べ終わった定食…。ミニチュアのバリエーションが増えていくと同時に、細部まで丁寧に表現するように。とんかつの脂身や鶏ささみの筋まで表現するこだわりようだ。
ある時、小林さんは同僚の松岡真弓さん(53)から「帽子に付けるナルトが欲しい」と頼まれた。この依頼をきっかけにミニチュアに加えてギョーザのピンバッジを作り、他の従業員も帽子に付けるようになった。篠ノ井店を訪れたテンホウ・フーズの役員が注目し、本社の依頼でギョーザのピンバッジをまとめて作るようになった。
「『これ何ですか』と声をかけられます」。そう話すのは大石壮太郎社長(51)。会議の時などほぼ常にスーツの襟に付けている。ピンバッジの評判は社内で広がり、篠ノ井店以外の店舗従業員や新入社員からも求める声が寄せられるようになったという。