うぉぉぉ! バスなのに線路も走れるだと!? 徳島県で実用化された「DMV」が「少年の夢」感アリアリで胸熱すぎる
1962年に国鉄が着手したのがDMVの始まり
プリウスが発売されて以来、ハイブリッドという言葉がクルマだけでなく広く用いられ知れ渡るようになった。本来、ハイブリッド車は「2種類の動力を組み合わせて利用し走るクルマ」だが、観光用として運用される水陸両用バスのように、「ふたつの異なる要素を併せ持つクルマ」もそう呼ばれることがある。そういった意味で、近年注目を浴びつつあるのが「DMV」だ。 【写真】トラックにパンタグラフがついてる!? DMVとは、Dual Mode Vehicle(デュアル・モード・ビークル)のこと。そう、鉄道の線路と自動車道路の両方を走ることができる乗り物というわけだ。開発の歴史は意外にも古く、1962年に当時の国鉄(現JR各社)が、赤字ローカル線のコスト削減・活性化を目指して着手した。しかし、技術的な問題が解決できなかったために実用化には至らなかったのである。それ以前から、似たような車両に「レールバス」というものがあったが、これは車両をバス工法で組み立てた小型の気動車(15m級程度のディーゼルカー)を指しており、道路を走ることはできない。 DMV開発が再び着手されたのは、2000年に入ってからのこと。ローカル線の多いJR北海道が、その効率化を検討したことに始まる。2004年には日産シビリアンをベースとした試作車が、2009年にはトヨタコースターをベースとした試作車が製作された。最終的に試験営業にまで漕ぎつけたのだが、JR北海道の方針変更(管内鉄道事故多発に関する対策強化が理由)により実用化は見送られることになった。 しかし、営業用車両ということでなければ、以前から道路/軌道両用車は実用化している。それは「軌陸車」と呼ばれる車両だ。これは、軌道工事やメンテナンス作業などに従事する事業車両の一種で、トラックや建機をベースにして、道路と軌道の両方を走れるように改造したもの。基本的に鉄道の営業時間外に使用され、客を乗せた営業運転は行わないので、踏切や信号といった鉄道設備に連動する必要がない。 そのため、とりあえず安全に鉄路を走れる装備を備えていればいいため、DMVより実用化が簡単なのだ。 ちなみにこれ以前には、かつての大日本帝国陸軍が戦闘用車両として、1931年に九一式広軌牽引車、1935年に九五式装甲軌道車を実用化している。